さがみはら緑区 社会
公開日:2023.08.24
寄付額350万円 原動力は思いやり
中野在住 山本修行(のぶゆき)さん(75)
「思いやりを大事にしたい」。その一心で自然災害の被災地や広島、長崎などに寄付を続ける人がいる。中野在住の山本修行さん(75)。1982年、ユニセフを通してアフリカの難民へ寄付して以来、これまでに約350万円を寄付してきた。
きっかけは新聞記事だった。女子中学生がアフリカ人と文通をしていたが、ある日突然返事が途絶えた。調べると文通相手は飢餓で亡くなったと記事には書いてあった。それを読んだ山本さんは「日本人としては信じられないことで衝撃を受けた。何かできる事はないかと思った」。考えた末に月5万円の小遣いを送ることを思いつき、手元にあった1万円と合わせて6万円を寄付した。それからは、阪神大震災や東日本大震災などの被災者支援に寄付してきた。「大惨事で何か支援できないかという気持ちだった」と振り返る。
18年の正月、ラジオでローマ法王が被爆した子どもの写真をカードに印刷して配布すると言うニュースが流れてきた。山本さんも過去に同様の写真を見たことがあり、「おんぶ紐で亡くなった弟を背負っている子どもの写真だった。気の毒すぎて」と涙を拭う。「自分も寄付を頑張ろうと思えたニュースだった」と話す。その年の8月に広島と長崎の原爆資料館へ50万円ずつを寄付。その後も継続し、被爆地への総額は200万円を超えた。
昨年9月にはユニセフを通してウクライナへ寄付。そこから今年3月までに貯めた30万円は沖縄戦の語り部に寄付しようと考えている。「同じ過ちを繰り返さないために悲惨な状況を語り継いでいってもらいたい」
寄付しかできない
山本さんは会社員として62歳までフルタイムで勤め、その後もパートとして働き、今年3月に退職した。浄財は月の小遣い5万円から捻出してきた。「50歳手前でタバコを止めるまで、1日3箱吸ってたんだよ。タバコ代が小遣いの半分位を占めていたから止めたのが大きいね」と笑う。65歳からは働いた分の給料を小遣いとして使えるようになり、寄付できる額も大きくなったと言う。
寄付を続ける理由を山本さんは「何か起きた時に手を差し伸べることができるのは人間しかいない。その思いやりを大事にしたい。被災地に入ってボランティアをする人もいるが、私だったらきっと涙が出てしまって現地で何もできないと思う。だから私には寄付しかできない」と力を込める。そして、「多くの人が思いやりを持って接すれば世間はもっと良くなると思う」。
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