「キャロライナ・リーパー」「ブート・ジョロキア」など最高峰の辛さを誇る唐辛子を栽培、生産、輸入、販売する合同会社七海交易(寸沢嵐)。国内では若柳と山梨県大月市に工場を構え、長く続く激辛ブームの裏で激辛唐辛子を作り続ける。代表の竹内僚さんにその「熱い」思いを聞いた。
絶対的な自信
竹内さんと激辛唐辛子の出会いは約20年前。仕事でバングラデシュに住んでいた時に、日本の知人から「ジョロキアの種を探してほしい」と依頼を受けたことがきっかけ。当時ジョロキアはハバネロを抜いて世界一の辛さと言われ、日本では激辛スナックが人気だったこともあり、ジョロキアを手にした竹内さんは「これなら売れる」と、絶対的な自信を持ってバングラデシュで起業。工場を設立した。
苦難を超えて
しかし、栽培を始めた矢先、突然のサイクロンが工場を襲い、畑までもがダメになってしまう。落胆したまま帰国すると、2009年に再びジョロキアの栽培をスタート。しばらくは思うように売れなかったが、11年に大手メーカーの激辛レトルトカレーに竹内さんのジョロキアが使われると、次々と販路が広がるようになっていった。
現在ではカレーやスナック菓子メーカー、外食チェーン店などの激辛商品に使われている。売れなかった時期から改良したわけではなく、徐々に売れ出していったことに「今思えば、時代の先を走りすぎてたのかな」と笑う。
同社では年間で、日本で500kg、バングラデシュで1tの唐辛子を生産する。「栽培はそれほど難しくない」と竹内さん。「難しいのは衛生管理と取り扱い」と続ける。激辛唐辛子の工場はそこにいるだけで、「熱湯をかけられている感じ」と例える。「体がかゆくなったり、咳が止まらなくなったり。そのため白衣で全身を包んで作業する」と言う。大量生産が可能な衛生管理、加工や農業の知識、専用の機械が必要とした上で、「精神的な強さも兼ね備えていないとできない」と説明する。
積極的にコラボ
「相模原を日本一の唐辛子のまちにしたい」と意気込む竹内さんは、地域とのコラボにも積極的だ。緑区とは赤いミウルをラベルにした「鷹の爪唐辛子」を販売。津久井せんべい本舗とは「恐辛せんべい」、橋本の252sausageとは「爆辛チョリソー」、「爆辛チリドッグ」などを販売している。爆辛チョリソーを共同で開発した同店の滝柳遊店主は「爆辛チョリソーには竹内さんのキャロライナ・リーパーを練り込んでいる。粗挽きなので肉汁が溢れ出て肉の旨味が来て辛さがやってくる感じ。めちゃくちゃ辛くて、美味しい商品」と話す。
激辛イベントを計画
今年の目標として、竹内さんは「橋本で激辛イベントをやりたい」と計画を進めている。そして、現在は激辛唐辛子のほかに、山椒やニンニクの栽培、商品開発にも取り組んでおり、「機械化して一般の唐辛子の大量生産に挑戦したい。そして、日本固有の香辛料である山椒で収穫量、日本一を目指したい」と意欲を燃やす。
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