相模湖ににぎわいを
未来型賃貸住宅が１年

相模湖湖畔にある「ふれあいの杜さがみ湖」
ホテルのような広々としたフロント
4階居室からの眺め
ふれあいの杜さがみ湖（奥）の隣りに設置された屋台村
プンタの斎藤さん（左）と妻の陽子さん

　自然豊かな景観とさまざまアクティビティが魅力の相模湖エリア。そのエリアのさらなるにぎわい創出に力を入れるＮＰＯがある。相模原市緑区の「ＮＰＯ法人ふれあい自然塾」だ。同法人は昨年５月、「未来型賃貸住宅」として「ふれあいの杜さがみ湖」を開設。今年８月にはその施設隣りに「屋台村」を設置するなど、「安心して楽しく暮らせる」地域づくりに取り組んでいる。

景観、アクセス｢良｣

　山々に囲まれた静かな環境の中に広がるのは湖の雄大な景観。ＪＲ中央線「相模湖駅」から徒歩10分、中央道相模湖ＩＣから車で10分というアクセスの良さも相まって、サービス付き高齢者向け住宅ふれあいの杜さがみ湖は注目を集めている。

雑誌ラジオで紹介

　開設から１年。この春には文藝春秋が特別編集した「しっかり学べる高齢者の住まい」で「安心でつながるシニア向け住宅30選」の一つに選ばれ、８月には山梨県のＦＭラジオでも紹介された。運営する株式会社アルプスケアハート（緑区西橋本）のスタッフは「地域の皆さまの理解が徐々に進み、ありがたいことです」と話す。

｢交流｣多様に展開

　建物は地上５階建。居室は34平方メートル以上と広さが特徴。ラウンジやトレーニングルーム、カラオケルームを備え、屋上ではＢＢＱ、敷地内菜園では野菜づくりも楽しめる。さらに、花見、蕎麦打ち、たけのこ掘り、栗拾いなどのイベントも。自然と人がふれあう機会の創出を目的とするＮＰＯが主体となっているだけに、施設内外において「交流」を促す企画は多様に展開されている。

｢元気なうちに｣

　「元気なうちに、新しいコミュニティに加わり、将来、介護が必要となっても安心してお暮しいただける施設です。利用者の方からは『毎日飽きない』という声も聞かれ、喜んでいただいているようで何よりです」。このように通常のサ高住のイメージとは一線を画すような、まさに「未来型」「アクティブシニア向け」の賃貸住宅。「自然、ふれあい、交流」などに関心のある人は一度見学を。問い合わせは下記の連絡先へ。（問）ふれあいの杜さがみ湖【フリーダイヤル】０１２０・１９７・４３３（受付９時〜18時・無休）

起業家支援「屋台村」設置

　「地域の方に喜んでもらえて嬉しい。もっと盛り上げていきたい」。木の質感を大切にした外観が特徴的な12席の店舗「プンタ」の店主の斎藤嘉樹さんはそう語る。

　この日も満席となり、にぎわいを見せる店舗があるのは、ふれあいの杜さがみ湖に隣接して設けられた「ふれあいさがみ湖屋台村」の一角。屋台村は、同法人が地域活性化と起業家育成を目的に進める取り組みで、志ある人に「初年度無償（水道光熱費を除く）」で区画を貸し出す仕組み。８月にスタートし、斎藤さんは第一期の入居者として出店した。高校時代から続けてきた役者活動に一区切りをつけ、会社を立ち上げ、夫婦で店を切り盛りしている。

　ただ、周辺に飲食店は少なく決して繁華街ではない。また斎藤さん自身、経営の経験もない。それでも今回「決断」をしたことについて斎藤さんは「私たちの『夢』だったので。不安よりその思いの方が勝りました。実際やってみてこの地域の方の温かさを感じています」と笑顔で話した。

　屋台村は３区画のうち、プンタともう１店舗がすでに契約済み。残る１区画は現在募集中だ。同法人は「飲食業で起業を考えている方はぜひ挑戦を。一緒にこのエリアを盛り上げていきましょう」と呼びかけている。関心のある人は下記まで問い合わせを。（問）【電話】０４２・７７４・３３３３