奏者と聞き手に喜びを

　○…ミュージアムをバックに若手奏者の演奏にあわせ芸者衆が踊る。そんな映像を撮影した。八王子にある伝統文化を広く伝えるため、大使館などに提案する計画。映像は初めての挑戦。「芸者さんはしっかりお稽古をし芸を身につけていらっしゃる。そんな姿をもっと多くの方に知ってもらいたい」。完成は３月の予定だ。

　○…静岡市の出身。三姉妹の次女。八王子は10年ほど暮らした。長女がピアノを学んでおり、大学のときモスクワへ留学。彼女がそれまで仲間と開いていた演奏会の運営を代わりにするように。これが転機となる。徐々にその数が増えていく中、態勢を整え個人事業主となった。日野市のショッピングモールで開く演奏会は３年前のスタート以来、一時期を除き「毎週」続いている。自身に音楽経験はあるが演奏家には「素人目線」でアドバイスを送ることを心掛けている。

　○…子どもの時に習っていた以来で、最近になり書道を始めた。「筆を持つと落ち着きます」。好物は牛タン。「看板を見つけるとお店に吸い込まれていきます」。好きな映画はグッドウィルハンティング。セリフ、細かなやり取りまで覚えるほど何度も観た。大学を卒業後は地元のテレビ局で働き、子育てが一段落すると、翻訳の仕事に就いたことも。チャレンジ意欲は旺盛だ。

　○…「夜勤の休憩中に」「車椅子でも気軽に来れる」。日野市の演奏会は色々な人に楽しみを提供しているようだ。「みんな上手。演奏が良いと、観る人は会話を止める。このコロナ禍にぴったりだと思います」と笑う。真剣に聴く来場者の視線は若者の励みになる。まさに「ウィンウィン」。出演希望者が多く５月まで予定は埋まっているそう。