八王子 社会
公開日:2025.09.11
9/15敬老の日
市内で暮らす“長寿”たちに聞く
9月15日は敬老の日。八王子市の住民基本台帳に住所が登録されている100歳以上はなんと348人もいる(2025年6月末時点)。今回は、年齢を重ねながら市内で元気に暮らす長寿3人に話を聞いた。
自分以外は「先生」だから 阿山多喜也さん
6月で100歳を迎えた阿山多喜也さん。西寺方町のサービス付き高齢者向け住宅「サクラタウン西寺方」に5年前から入居している。同所内の最高齢者でもある阿山さんは、「他の入居者さんから目標とされる存在」(管理者の岡田優希奈さん)だという。
阿山さんは100歳ながら、2日に1回ほど、近くのドラッグストアに一人徒歩で買い物に出かけたり、時にはバスに乗りスーパーマーケットへ行く。また住宅内にはレストラン食堂があるが、朝ごはんは自室でパンを焼き、牛乳と一緒に食す。衣類も自分で洗濯するなど、少しでも身の回りのことを自分で行おうとするのだ。
海と共に
阿山さんは島根県の隠岐島で牡蠣の養殖業に勤しみ、毎日海に出て海と共に人生を歩んできた。86歳で陸に上がったあとは、親戚のいる和歌山県へ。妻がこの世を去ってから、長男のいる八王子に転居した。
「牡蠣や真珠のことなら自信はあるけど、他のことはまったくわからない。だから、自分以外の人のことは『先生』だと思っている」と話す阿山さん。岡田さんのことも「先生」と呼び、驕らない謙虚な姿勢がサクラタウンでも親しまれている。
現在は週に1回、運動系のデイケアに通ったり、ヘルパーさんの生活支援を受けながら、矍鑠(かくしゃく)とした生活を送る阿山さん。先日の誕生日にはスタッフや他の入居者たちに祝ってもらったといい、「ありがたいね。みなさんのおかげです」と優しく微笑んだ。
生きがいは茶道 山口ヨシ子さん
数えで100歳を迎えるのは、1926年生まれで元本郷町在住の山口ヨシ子さん。
中野町で生まれ、若い頃は都心の企業に事務員として勤務した。宮大工だった夫と結婚し、多いときは5〜6人の弟子が住み込むなかで、食事や生活の面倒を請け負い「毎日大変だった」と振り返る。
現在はお茶の師範として茶道を教えることが何よりの楽しみで、生きがいでもある。茶道の作法を修め、多くの人と関わりながら元気に暮らす山口さん。「これ以上、望むことはありません」と締めくくった。
90まで続けたダンス 伊藤正子さん
伊藤正子さんも、数えで100歳を迎える元本郷町在住の女性だ。
生まれは大横町。家族で八幡町で暮らし、戦争に翻弄されながらも陸軍省の仕事に就き、東京消防庁に勤めていた夫と結婚。元本郷町に家を構えた。
60歳代のときに夫が亡くなり、友人の勧めもあり社交ダンスを始めることにした。振りを覚えたり姿勢に気を付けたり、ダンスの面白さに魅了され、気付けば90歳までやり切った。「社交ダンスが健康の秘訣でしょう」と伊藤さん。
「ここまで元気で来れたのも、家族に大事にしてもらったおかげです」
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