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八王子 社会

公開日:2025.10.30

八王子市シルバー人材センター
「銀の声」事業がGD(グッドデザイン)受賞

  • 事業を考案した同センター職員の野母さん

 来年設立50年を迎える八王子市シルバー人材センター(並木町)による独自事業「銀の声」が10月15日、2025年度グッドデザイン賞を受賞した。

 「銀の声」は、企業が実施するシニア向け商品開発のための製品モニターや、研究機関が作成するデータのためのアンケート調査に協力するなど、体力的負荷の軽い仕事を請け負う事業。耳が聞こえにくかったり、足が不自由な高齢者から「生の声」を集め、高性能スピーカーや高齢者向けモビリティ開発などに役立てるのが特徴だ。25年1月から試験的に開始し、これまでに(株)JTBや(株)ミライスピーカー、東京都健康長寿医療センター研究所などが利用。26年春ごろから本格運用する予定だ。

 80歳以上でも安心して働ける環境を提供することを目的に、職員の野母(のも)裕和さん=人物風土記で紹介=が考案した事業。野母さんは同センターが紹介できる仕事内容が清掃作業や工事現場のガードマンなどの体力的に負荷の高い内容が多いことに課題を感じていた。「(会員さんが)仕事への意欲が高くても、体力的負荷が大きいと紹介が難しかったり、年齢を理由に企業から断られてしまうこともあった」と振り返る。そんな時「高齢者であること自体に価値が生まれる仕事はないか」と考えたのが事業開始のきっかけとなった。

 同賞の審査員からは、「高齢者本人にしかわからない老いた身体や重ねた知見などに関する情報は貴重だが、一般企業の開発者が集めるのは時間やコストの面でも難しい。だからこそ、貴重な情報を掘り起こして活用するこの取り組みは、社会的な貢献度が高い」と評価された。なお、同賞には5225件がエントリーし、1619件が受賞している。

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