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八王子 文化

公開日:2026.01.01

八王子車人形 西川古柳座
襲名披露公演、華やかに

  • 口上を述べる西川柳時さん(中央)

 江戸時代から続く八王子の伝統芸能「八王子車人形」。家元の西川古柳座が12月6日、八王子市芸術文化会館(いちょうホール)で襲名披露公演を行った。西川柳玉さんが「六代目西川柳時(りゅうじ)」を襲名したほか、若手座員ら計5人が新たに「柳」の字を冠した芸名を授かり、伝統の継承とさらなる発展を誓う大きな節目となった。

七人三番叟で幕開け

 公演は五穀豊穣などを祈る『七人三番叟』で華やかに幕を開けた。通常は2〜3人で披露されるが今回は襲名を祝し豪華に7人で披露=写真。演舞では、「中の太夫」を操る家元の五代目・西川古柳さんから、新・柳時さんへと「鈴」が手渡される場面が山場となり、観客は固唾を飲んで見守った。

 襲名披露口上では、座員14人が舞台に勢揃い。柳時さんは「この名は非常に大きく、背負ってよいものなのか自問自答することもある」と率直な胸中を明かしつつ、「車人形は僕の人生を変えてくれた。未熟者ではあるが、変わらぬご厚情を賜りたい」と、万感の思いを込めて深く頭を下げた。

 今回の襲名は、稽古場での定期公演を定着させるなど、近年の精力的な活動がきっかけとなり襲名が決まったという。古柳さんは「柳玉、柳時、古柳と名前が変わるのは芸や座を守る道順を示すもの。これからどんなものを楽しんで頂くかを自分たちで考え舞台に上げていくのが使命。まずは伝統を写し、その上で自分たちの世界を作ってほしい」と、若い世代へ期待を寄せた。

 伝統の若返りを象徴するように、この日はかつて稽古場の「夏休みこども教室」で学んだ小学6年生3人が、中学生の時から続けた稽古を経て正式に座員となった。それぞれ西川柳大さん、柳沙さん、柳菜さんの名を授かり、古典芸能の世界で一歩を踏み出した。

 時代を超えて受け継がれる八王子車人形 西川古柳座は次代への歩みを加速させる。

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