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多摩 スポーツ

公開日:2016.04.07

多摩市出身西村樹里さん
日本人チア初 全米一経験
凱旋帰国 母校で指導

  • 母校の後輩に指導する西村さん

  • 優勝後のパレードで。右端が西村さん(本人提供)

 アメリカンフットボールの最高峰ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の全米一を決める大会「スーパーボウル」。アメリカ国内で視聴率50%近くを記録し、世界200カ国以上で生放送される世界的なスポーツイベントだ。そのスーパーボウルが2月に行われ、「デンバー・ブロンコス」のチアリーダーとして、日本人で初めて西村樹里(きさと)さん(27)=多摩市出身=が優勝を経験した。

 その西村さんが3月中旬に帰国。24日には母校の多摩大聖ヶ丘中学・高等学校を訪れ、後輩たちを激励、指導にあたった。

「優勝の場面にいれて光栄」

 チアの本場・アメリカ。中でも、アメフトのチアリーダーは全米の少女たちが憧れる職業のひとつ。これまでにも日本から数多くの女性が渡米、チャレンジする中、今年初めて日本人チアリーダーとして、スーパーボウル優勝を経験した西村さん。「この4年間必死にやってきた中で、2回もスーパーボウルに出ることができた。チームが良い時にチアリーダーとして優勝の場面にいれたのは光栄」と笑顔で語る。

 原点となったのが、多摩大聖ヶ丘中学・高等学校のダンスドリル部。中学校入学後の部活紹介で、その華やかな踊りに魅了され入部。「先生から文武両道の大切さを教えてもらった。指導者に恵まれたからこそ、ここまで続けてこれた」と当時を振り返る。

 チアの強豪・玉川大学に進学し、世界大会を経験したことがアメリカでチアリーダーを目指すきっかけとなった。「現地の子たちが優しくてすごく良い環境だった。漠然とアメリカに行けたらと思っていた中で、競技ではなく、踊ること以外に地域貢献活動などに関われることができると知って、ダンサーとして女性として成長できる場所だと思って決めた」と動機を語る。

 大学卒業後、渡米し300人近くが挑戦するオーディションを勝ち抜いて合格するも、ビザの関係で断念。翌年再挑戦し、見事ブロンコスに入団すること。言葉や環境などの不安がありながらも、仲間の優しさなどに支えられ、チアリーダーとしてチームや観客を盛り上げるだけでなく、地域貢献活動やイベントなどに参加した。「チアリーダーはパートタイム。みんな本業がある中でこの職業についていて、自分にはそれがなくてつらかった…。自分に足りないものが何かを知ってそれを埋める努力をしていくことを大切にしていた4年間だった。できない自分を認めることで前に進めることを実感した」と、4年間を振り返る。

チアのステータス向上を

 アメリカでのプロチアリーダー生活はこれで一区切りにするという。「チアリーダーの仕事は試合で踊るだけでなく、チャリティーや地域貢献の活動の方が多い。ダンスや言葉、行動で、出会った人の笑顔を作るのが仕事なんだと、私の中で答えが見つかった。いつかは引退する時期が来るので、このタイミングで良いかと思って。しかもスーパーボウルで終われたので」と笑顔で語る。

 今後の予定はまだ決まっていない。「いつかはアメリカのように日本もプロのチアがステータスあるものになればいいなと。自分がやってきたことを活かして、チアのステータス向上に貢献できたら」と今後の目標を語った。

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