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多摩 人物風土記

公開日:2018.02.22

「南京玉すだれ多摩お江戸隊」の代表を務める
木下 暁さん
連光寺在住 67歳

地域を盛り上げ、芸を追求

 ○…「アさて、アさて…」と始まる威勢の良い歌声。その口上とともにいくつもの形に玉すだれを操り、会場を盛り上げる。1月27日に行われた「ボランティアまつり」でもその妙技と、傘回し、皿回しを披露し、来場者から万雷の拍手を受けた。隊を立ち上げて4年目。市内の高齢者施設を回る他、数々のイベントに参加する。「皆さんに喜んでもらえて何よりです」と白い歯をみせる。

 ○…玉すだれを始めたのは4年前。「何せシャイだから」と会社勤めの時から宴会の席で歌を歌うのが苦手で”持ちネタ”を探していた。以前から正月のTV番組を見て気になっていたところ「京王友の会」に教室があるのを知り入会。神戸発祥の「八房流」を習い、教室の仲間と共に施設を回るボランティア団体「南京玉すだれ多摩お江戸隊」を立ち上げた。玉すだれのポイントは、糸と竹の張り合い。「竹を出すのは簡単。引くのに技術がいる。あとは目標を持つこと」と笑顔をみせる。家で練習を繰り返し、人前で披露することで徐々に上達していった。

 ○…父親の仕事の関係で転勤族だったという少年時代。高校生の時に多摩に引っ越してきた。大学卒業後、仕事で海外赴任も経験。定年を迎えた後、知り合いから民生委員に推薦された。児童委員、小学校の学習支援員と次々と地域の役を担い、多忙な生活を送る。「定年後、暇を持て余して孤立する可能性もあった。チャンスを与えてもらい、生きがいを見つけられた。ラッキーでしたね」と微笑む。

 ○…2月25日に開催される「東京マラソン」のランナー応援イベントで、玉すだれや傘回しを披露する予定だ。「芸は奥行きが深い。それをもっと深めていきたいですね。できると楽しくなってくるから」。来年のボランティア祭りで、傘でリングを回すことを公言する。「言ったからにはやりますよ。目標がないとね」と、おどけながらも芸を追求する日々は続く。

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