多摩 人物風土記
公開日:2026.01.15
デフリンピック東京大会に十種競技で出場し、日本人トップで7位入賞した
岡部 祐介さん
多摩市在住 38歳
「陸上の努力が僕を前向きに」
○…生まれつき耳が聞こえない両側感音性難聴という障害があり、音のない世界で暮らしてきた。11月に行われた第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025に十種競技では初出場して7位入賞。「走る種目は上手くいったのですが、同時に円盤投げなどの投てき種目に課題があったと思います。これからは全体のバランスを良くして、日本デフ記録を更新したい」と意気込む。
○…秋田県出身。幼少期から運動が大好きだったが、運動会の徒競走ではスタート時のピストル音が聞こえず、隣が走り出してからスタートして1位になれず悔しい思いをした経験も。「周りの話も分からなかったり、子どもの頃は消極的になっていました」。転機は中学校2年で秋田県立ろう学校に転校して出会った陸上競技。コーチの厳しい指導にもめげずに練習を続け、3年生の大会で自己ベストを更新。その経験が「最後まで頑張ると良いことがあるとわかった。陸上が僕を前向きにさせてくれました」とほほ笑む。
○…ライフネット生命保険(株)の社員としても忙しい毎日を送るが、昨年には第一子が誕生し、父親としての一歩も歩み始めた。「多摩は公園が多くて家族で気持ちよく散歩ができます。いちごやブルーベリー狩りができる場所も見つけたので行ってみたいですね」と白い歯を見せる。
○…今は世界を相手に戦うアスリートだが、小学校の卒業アルバムに書いた将来の夢は「本屋さん」だった。「正直アスリートとかプロ選手とか書いておいて欲しかったです」と苦笑い。今後も十種競技を続け、次のデフリンピックを目指す。「同じ境遇の子が僕を見て挑戦してみようと思ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません」と目を輝かせた。
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