全国的に特殊詐欺が多発している昨今。多摩市ではこのほど、その対策として「自動通話録音機」の無料貸し出しの予約受付を始めた。台数は1000台で、都内市部でこれだけの数の貸し出しを行うのは多摩市だけだという。被害にあいやすい高齢者が貸し出しの対象。市では「多くの家庭で取り付けてもらい未然に防止を」と呼び掛けている。
多摩中央警察署によると、特殊詐欺で多いのは、犯人が電話で親族をかたり、高齢者を言葉巧みに誘導し、お金を振り込む「オレオレ詐欺」や、「還付金詐欺」などだという。
多摩市内では、2014年に1億4100万円(被害件数20件)と被害額が最も大きく、16年、17年はそれぞれ約9637万円、約5127万円と総被害額は減っているものの、被害件数がともに31件とここ5年で増えている(表参照)。
そこで今回、その特殊詐欺対策として、実施するのが「自動通話録音機」の無料貸し出しだ。この録音機は、電話の呼び出し音が鳴る前に、「この電話は、振り込め詐欺被害防止のため会話の内容が録音されています」と警告メッセージが流れる仕組みになっており、メッセージの後の通話が録音される。このメッセージを聴くことで、犯人は声が残ることを嫌って電話を切るケースが多いため、未然に被害を防止する効果が望めるという。
貸し出し台数は1000台(先着順で、在庫がなくなり次第終了)。対象は、概ね65歳以上の高齢者が居住する世帯(若い人が同居していても可)。介護保険料決定通知書や介護保険料納付書にチラシを同封し、設置を呼び掛けていくという。
貸し出しの予約は平日午前8時30分から午後5時まで。取付希望者は、多摩中央警察署生活安全課犯罪抑止担当【電話】042・375・0110、取付を希望せず各自で取り付ける場合は市防災安全課防犯担当【電話】042・338・6841へ。
市防災安全課では「16年から貸し出しているが、高齢者が多く被害件数も増えているため、今回1000台用意した。多くの家庭で設置してもらい、犯人に警告することで被害を未然に防いでいきたい」と話している。
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