多摩市は12月25日、ヤフー株式会社(千代田区)と「災害に係る情報発信等に関する協定」を締結した。同協定は、災害時に市公式ホームページへのアクセス集中を回避するキャッシュサイトへの誘導、同社のアプリで緊急・避難情報を配信することなどが目的。市では、今後、災害時に備えてアプリのダウンロードなどを呼び掛けていく意向だ。
市では現在、地震や台風などの災害時に市内の情報を市公式ホームページに掲載する他、事前に登録した携帯電話やパソコンのメールアドレスに気象・火災・地震・水防情報を配信している。加えて、緊急時には、各携帯電話(NTTドコモ、au、ソフトバンク)のサービスを使って災害・避難情報の配信を行っている。
そうした中で、今回、ヤフー(株)と協定を結ぶことで、災害時の緊急情報などを市民に届けるツールを増やし、より多くの市民の安全へとつなげていくことをねらいとした。
締結した協定の内容は五つ。一つ目は「キャッシュサイトへの誘導」。災害時に、同社の検索サイトで「多摩市役所」を検索した際に、多摩市役所の欄に公式キャッシュサイトの項目が追加され、そこへ誘導するというもの。公式サイトへのアクセスが集中する状況が発生した時に、公式サイトと同じ情報が閲覧できるキャッシュサイトへ誘導することで、サーバーのダウンを回避することが可能になるという。
二つ目は、同社のホームページと、同社が提供する「防災速報アプリ」で、多摩市からの緊急情報を配信。同社が開発したこのアプリは、現在、全国での利用者が増えており、1500万人が利用しているという。事前にアプリを携帯電話やタブレットでダウンロードし、地域設定で「多摩市」を登録しておくと、多摩市から提供された避難情報や、台風接近時に注意喚起など、市民の安全を守るための情報が配信される。
三つ目は、多摩市からの台風等による避難指示や避難勧告などの緊急情報がLアラート(放送局やアプリ開発事業者等のメディアを通じて地域住民等に必要な情報を提供)を通じて、同社のホームページやアプリで掲載される。
四つ目は、多摩市が被災地となった場合に、被害情報や支援情報を同じように同社のホームページやアプリ上のマップに掲載される。五つ目は、平常時から、指定緊急避難場所の位置が同社のホームページやアプリ上のマップに掲載される。
同社では、現在、このアプリの活用を全国の自治体に呼び掛けており、近隣では八王子市と稲城市が利用。都内26市の中でも10市が利用しているという。
防災訓練などで周知を
市防災安全課によると、今回の協定の締結、アプリを活用することによって、緊急時の対応が増えるものの、情報を配信する手段の幅を広げることでより多くの市民の安全につなげていきたいという。「アプリはダウンロードが必要になりますので、今後、結んだ協定の情報を市の広報やホームページでお知らせし、自治会などの防災訓練で周知していきたい」と話している。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|