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「すべての市民がファンになれる施設を」 パルテノン多摩 間瀬勝一新館長インタビュー

文化

掲載号:2019年6月27日号

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 老朽化のため、現在、大規模改修が進められている多摩市立複合文化施設「パルテノン多摩」(公益財団法人多摩市文化振興財団)。同施設の新館長に、6月から間瀬勝一氏(74)が就任した。間瀬氏は、公益財団法人全国公立文化施設協会のアドバイザーを務めており、これまでに神奈川県の各地域で市職員、外郭団体の職員として文化施設の開館、運営に携わってきた。本紙では、間瀬氏に新館長としての抱負を聞いた。

 -大規模改修によって来年4月から2022年2月(予定)まで全館休館となります。そのタイミングでの館長の就任。どういった経緯でオファーを受けたのでしょうか。

 「2年前になりますでしょうか。パルテノン多摩の外部評価委員に参加したのが関わるきっかけでした。その中で多摩市文化振興財団の在り方をレポートし、厳しく伝えたのが目に留まったのではないでしょうか(笑)」

 -パルテノン多摩のこれまでの印象は。

 「ここがオープンした時、藤沢市に勤めていましたがそれは華々しかったですね。小澤征爾さんを呼んでと、そのニュース性は藤沢にまで届いていましたが、段々と情報が入ってこなくなりました。当時は、事業の企画の仕方として、外部から呼んで特定の人に組み立ててもらっていたと思います。他の施設で経験したのですが、最初はよく回っていましたが段々と同じようなものになってしまう。そこで行政、施設側が意見を言えなくなってしまい、精度疲労というのでしょうか、次第に事業がくたびれていったんです。恐らく、そういう状況に近かったのだと思います。しかもその後にバブルがはじけ、予算もかけられなくなり、事業規模を縮小せざるを得なくなった。だから演劇でも音楽でも市民からみれば年に1回だけ。そう見えてしまう。そうではなく、中にいる我々が組み立て、積み立てていくことが必要になると思います。今いる財団の職員が全体をコーディネートし、方向付けをしていく。それが私に課せられた役割だと思っています」

 -これからの取り組みについて、何かお考えになられていることは。

 「『アウトリーチ』と『アートマネジメント』に取り組んでいきたいと考えています。小学校や中学校に講師を派遣するアウトリーチは、学校側のこういう人を呼びたいという声を受けて我々がコーディネートする。いいものを観て、子どもたちの記憶や思い出になってくれれば、将来、子どもたちが関心を持ち、ここで演劇や音楽、展示などを鑑賞したいと思ってもらえるようになると思うからです。

 アートマネジメントは、市民の方々に催しの作り方のノウハウを教えるというものです。自分のアイデアを形にしていくことで、一つの方向性を生み出すことができる。いつも市民に向かっていくことが、劇場・ホールの大きな仕事。それがうまくかみ合っていくと、バランスの良いホールになっていくと思います。

 あとはやっていることをどう発信していくか。今でもやっていると思いますが、まだ足りない。内容によってはターゲットを決めて発信したり、民間の力を借りるなど、まだまだできることはあると思います。ホール事業は満席にすることが大事。改修後は大ホールの席がこれまでよりも減ります。チケットの価格も含めて、スタッフが今まで以上に経営感覚を持ち、考えながらやっていきたいと思っています。

 ホール事業は生き物。多くの市民、多くの人が集まって楽しんでもらわなければなりません。新しくオープンした後、演劇やコンサートなどの事業がない時にどうホールを運営していくか。スタッフの力量にかかっていると思うので、しっかり準備していきたいと思っています」

 -今後の施設づくりについてお聞かせください。

 「基本計画の中に、理念と3つの方針が掲げられていますが、すべて大事なものです。それをバランスよく作り上げ、市民の皆さんにわかるようにしていきたいです。改修ではバリアフリー対応していますが、障害者や高齢者が音楽などを鑑賞する、表現をする場としてのソフト面でのバリアフリーにも取り組んでいきたいと考えています。

 施設はこれから改修工事に入りますが、今後は特定の人だけではなく、すべての市民が適正なサービスを受けられ、催し物を楽しめるようなソフトを提供できるようにしていきたいと思っています。そのためにも、2年間の休館の間にスタッフ一人ひとりが意識を変え、今以上に市民のために何ができるかを考え、実践できるようにステップアップしていきたいと考えています。

 日本は、欧米のように文化や芸術を日常の中に必要としていない人が多いと感じています。夫婦で、家族で定期的に鑑賞する時間をつくる。そうすることで夫婦や家族のコミュニケーションツールにもなる。音楽や演劇、芸術は生で見ることで心を動かされるし、人生を豊かにすることができるものです。ホールや劇場が元気だとまちも元気になる。新しいファンを作り、すべての市民にファンになってもらえるような施設を作り上げていきたいと思っています」

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