市民手作りの映画祭「第30回映画祭TAMA CINEMA FORUM」が11月21日から27日まで永山公民館、関戸公民館で開催された。29日には「TAMA映画賞」の授賞式が府中の森芸術劇場どりーむホールで行われ、最優秀男優賞を受賞した福山雅治さんら豪華俳優陣が出席し、盛り上がりを見せた。
映画好きの市民ボランティアで結成された実行委員会が主催する同映画祭。「日本映画の活性化をめざして映画ファンのネットワークづくりをTAMAから発信」「21世紀のまちづくりをめざして映画を通した新たなコミュニティー作りをめざすTAMAからの発信」をコンセプトに毎年映画の上映やトークショーなどを実施している。中でも、毎年注目を集めているのが「明日への元気を与えてくれる・夢をみさせてくれる活力あふれる『いきのいい』」作品・監督を映画ファンの立場から表彰する「TAMA映画賞」で、今年で12回目を迎えた。
表彰式では冒頭、竹内昇実行委員長が登壇。「今年で記念すべき30回目の映画祭を開催することができた。今後、本映画祭で受賞された方々がより一層ご活躍されるうえでのきっかけになっていただければ幸いです」と挨拶し、ドイツのメルケル首相の言葉を紹介して開会を宣言した。
その後、最優秀新進監督賞や、最優秀新進女優賞に選ばれた森七菜さん、松本穂香さん、最優秀新進男優賞に選ばれた宮沢氷魚さんにトロフィーが贈られた。同男優賞に選ばれた北村匠海さんはビデオメッセージで受賞の喜びを語った。
最優秀女優賞に選ばれた長澤まさみさんはスケジュールの都合で欠席。代理で出演作『MOTHERマザー』の大森立嗣監督が登壇した。同女優賞を受賞した水川あさみさんは壇上で「栄えある素晴らしい賞をいただけて嬉しく感激している。主演女優賞というものをいただいたのは初めてで、本当に飛びあがるほど嬉しかった。これからも映画に携わっていける役者になっていけたら」と抱負を語った。
最優秀男優賞は、水川あさみさんと『喜劇愛妻物語』で共演した濱田岳さんが受賞。濱田さんは「このような賞をいただけて嬉しい。世界を変えてしまうような渦を乗り越えて9月に公開できたことは奇跡のようなこと。俳優をやっていてこんな幸せなことがあるんだなと素直に思える作品でした。あんな役だけど」と客席を笑わせ、受賞の喜びを語った。
同男優賞を受賞した福山雅治さんも登壇。「こういった賞をいただくのは随分久しぶりで嬉しい。(トロフィーの)この重みを感じながら今夜晩酌をするのが楽しみ」と語った。「これからもどんな役でも頑張って演じていきたいので、お仕事の方、事務所に問い合わせていただいて、スケジュールを確認していただければ」と客席を笑わせ「今後もどん欲に仕事をしていきたい」と抱負を語った。
「観客の皆さんありがとう」
最優秀作品賞に選ばれた『ラストレター』の岩井俊二監督は「光栄なる賞をいただきありがとうございます」と喜び、今後の抱負として「しばらくコロナも続きそうですけど、そういう時こそ僕らのようなクリエーターたちが頑張って、ファンの皆さんに支えていただきながら、お互いに絆をより紡ぎながら何か作って、表現し伝えていく。その輪、循環をより高めていければ」と語った。
同じく最優秀作品賞に選ばれた『海辺の映画館-キネマの玉手箱』の大林恭子プロデューサーやキャストの常盤貴子さんらが登壇。大林プロデューサーは「生涯映画とともに生きた監督です。今日はご褒美をいただいたと思います。最後の作品で最優秀作品賞をいただいて大変嬉しく思います。監督も喜んでいると思います」と今年4月に亡くなった大林宣彦監督に代わって挨拶した。また常盤さんらが順に監督との思い出を語った後、大林監督が今後の映画界を託す4人のうちの一人に指名した岩井監督がステージに立ち「黒澤明監督から大林監督に受け継がれているものが映画であり平和。簡単であり、難しい巨大な命題。大林さんのメッセージを自分の中でこれからじっくり考察、かみしめながら自分の創作に活かしていければ」と思いを語った。最後に大林プロデューサーは「監督は亡くなる1カ月前に死を覚悟していましたけど、毎晩言っていた言葉があります。それは『観客の皆さんありがとう』という言葉です。今日ここで皆さんにお伝えできること嬉しく思います。本当に監督からありがとう」と感謝を述べた。
なお、今回の映画のプログラムの一部が、期間限定で「ユーチューブ」の同映画祭公式チャンネルで観ることができる。
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