多摩市は2月8日、2021年度の予算案を発表した。歳入では、市税が新型コロナウイルスの影響により大幅な減収となった。一方で、事業実施の先送りや、職員の人件費などで歳出削減を図ったものの、これまで計画的に進めてきたパルテノン多摩の大規模改修や、中央図書館の整備工事といった普通建設事業費の増加などによって過去最大規模の630億3千万円となった。
8日に行われた記者会見で阿部裕行多摩市長は「コロナへの対策、健幸まちづくりのさらなる推進、新しい時代に向けた価値の創造、少子高齢化や風水害被害など喫緊の課題への対応と魅力あるまちづくりを進めるための編成となった」と予算案の方針を説明した。
一般会計は、前年度を39億6千万円上回る630億3千万円で、過去最大規模だった昨年度を更新。国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の3つの特別会計を合わせた総予算は934億5907万円となった。
歳入では、長期化する新型コロナウイルスの影響により、市税が前年度比で15億3千万円減、国・都税に連動する交付金が1億2千万円減と大幅に減収。一方、最低限実施する事務事業、市職員の働き方、業務内容そのものの見直しによって人件費などで歳出を削減した。コミュニティセンターや学校の改修などの工事時期を先送りしたものの、パルテノン多摩の改修工事、中央図書館の整備工事等の普通建設事業費が増加した。
コロナ基金を創設
新年度に予定される主な事業とその事業費は、学童クラブにおける医療的ケア児のための訪問看護派遣委託料として198万円。在宅で医療的ケアを必要とする重症心身障害児(者)などに対して、訪問看護師が自宅に出向いて一定時間ケアを代替し、家族の休養を図る「重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト事業」を開始するなどの「障がい者自立支援推進事業」に2253万円などが見込まれている。
小学校で、天候に左右されない公営・民間の温水プールを活用した専門指導者による水泳指導の取り組み試行に758万円。コロナ対策と、新たなライフスタイルの開拓支援策として、市内に新たにサテライトオフィスを設置する事業者に対し、整備・改修費用の一部を補助する事業に900万円を計上した。
市制50周年の記念として、多くの市民の声を集めた企画事業のほか、PRグッズ作成、市制10周年で埋設したタイムカプセルの発掘、記念誌の刊行等の事業に1019万円を見込んでいる。
さらに、コロナの影響で様々な対応が必要となることが想定されるため、「新型コロナウイルス感染症対策基金」を創設。3月に開かれる市議会定例会で、国の交付金等も活用しながら適時対応する補正予算を編成していく予定だという。加えて、国の3次補正予算や都の当初予算、新型コロナウイルスワクチンの接種に関する経費などは、現段階では多摩市の当初予算に盛り込めていないことから、これらも3月の定例会で追加の補正予算を計上していくとしている。
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