食品ロスなどに関する講演を2月に行う南極地域観測隊の調理隊員だった 渡貫 淳子さん 八王子市在住 48歳
魅力の伝授に使命感
○…講演は多摩市内のごみ減量に取り組む団体関係者らに向けて行う。昨年に続き、2回目。南極で実践していた食品ロスやごみ処理の方法などを披露する予定だ。「ごみの減量は自分が普段どのくらいごみを出しているのかを知ることから始まります」。てきぱきと理路整然に語る口調。観覧者に語りかけながら行う講演は分かりやすいと人気を集めている。
○…南極には2015年から17年までの1年4カ月の間、調理などを担当する隊員として。余剰なものがない世界で「あるもの」だけで食事をつくり、一つひとつの食材を極限まで有効活用する習慣が身についた。「かけがえのない素晴らしい時でした。仲間と喧嘩して悔し涙を出したこともありましたが」。南極では学校における「給食のおばさん」的存在。振り返ると自然と笑みがでる。
○…現在は大手食品メーカーで商品の開発にも関わる。講演は個人として受け、ごみの減量についてや環境保全。なかには活躍する女性の代表として声がかかることも。そして、心ときめくのが若者や子どもたちの前で語る時という。南極隊について知ってもらい、隊員を目指す子がひとりでも増えてくれればという思いで子どもたちに語りかけている。「魅力を伝えることも私の使命と思っています」
○…まったりとお茶を楽しむ時間が多忙のなかの息抜き法。何事も1つのことに固執しない方と話し、お茶もその時々の気分に応じてハーブや中国茶など10種類はあるストックのなかから選ぶ。「南極も料理人として1つの職場を選ぶ感覚でしたね。近所のあのレストランで働こうといった気持ちで」。その時々の好奇心が第一。次のステップへそんな心が導いてくれる。
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