一方、若者はこの条例に対して期待することはあるのか。引きこもり経験のあるプロ格闘家の村岡倫行(ともゆき)さん(落合在住・28歳)に聞いた。
――引きこもり経験があるそうで
「高校を数カ月で退学した後の3年間と、大検を取り入学した大学の1年時がピークでしょうか。特にいじめられていたという訳ではないんですが、何に対してもやる気が起きなくて。ゲームばかりやっていましたね」
――市が子どもや若者を支援する条例を出しましたが
「素晴らしいことと思います。ぜひ、若い人が『やりたい』と思うことに挑戦できる環境づくりにも目を向けてもらいたいと思います。私が現在、総合格闘技に取り組めるのも出身地である秋田県に住む親が大学に入学させてくれ、引き込んでいる間も支援を続けてくれたから。若い方には挫折しても変わることができることを知ってもらいたいですね」
――引きこもりからどう脱出できたのでしょう
「私の場合はやりたいことができたから、でしょうか。24歳の時に不健康な生活を改めようと近所の格闘技ジムに入会したところ、格闘技の奥深さにはまってしまって。一方で引きこもりから脱出するには専門家に話を聞いてもらうのが良いかもしれません。病気の可能性もあるので」
――将来は子どもたちの指導者になりたいと
「はい。格闘技というよりもトレーニング全般に関しての。子どもたちの可能性を広げるお手伝いができればと思います」