東京都は14日、デジタル化を進める都内の商店街などに対する補助金の概要を公表した。補助率は10分の9以内で上限は1千万円。昨年度に続くもので、キャッシュレス決済を導入する場合や独自のアプリの開発など、デジタル技術による商店街の活性化を図る事業などが対象になる。今年度は昨年度の2倍以上となる20件の採択数を目指しているという。
6月10日まで
名称は商店街デジタル化推進事業補助金とし、申請は6月10日(金)まで。区市町村の商店街のほか、商工会議所などが補助対象者となる。補助金は導入に向け、専門家から必要な助言や支援を受ける費用も含まれ、事業の取り組み後に必要となる商店街内の研修会や消費者向けた講座なども対象になるという。
「事業のPR費も含むもの。採択を受けた商店街を都としても広く周知していく」と都の担当者。採択は実現性や発展性、その効果などを考慮のうえ、7月中旬ごろに発表する予定としている。「2021年度はこの取り組みをモデル事業として進めたが、今年度からは本格的に進めていく考え。採択数を昨年度の2倍以上となる20件を目標にしている」
三鷹市商店会連合会(三鷹市)と共に昨年度の同事業で採択され、独自のアプリシステムを開発した三鷹商工会の担当者は「補助金を活用し、商店会の店舗情報などを見ることができるアプリを開発した。昨年11月に利用を開始し、Jリーグチームと組んだデジタルスタンプラリーの企画を実施するなど、有効活用できている」と笑顔をみせる。
反応はまちまち
この補助金に対する反応はまちまちだ。町田市内の21商店会と10の大型店などが加盟する町田市商店会連合会の林伸光会長は「我々が現在実施しているスタンプラリーなどは紙ベースからデジタルなものに移行できれば、若い人へのアプローチもしやすくなる」と話し、「各商店会への伝達や情報共有に関してもデジタル化は有効。補助金の活用を検討したい」と申請に向けて意欲的な意見を口にする。
聖蹟桜ヶ丘駅周辺の企業、店舗で構成される桜ヶ丘商店会連合会の飯島聖士会長は今後必要となる分野とする一方で、「昔ながらに現金商売している加盟店舗も多く、すぐにデジタル化を目指せるものではない。プランをまとめる人材もいない」と首を傾げる。
開発したアプリの機能追加を検討する三鷹商工会の担当者は「採択まで都とのコミュニケーションを欠かさなかった。デジタル化を進めるなか、商工会と商店街が地域活性化を目的に一丸になれたことは良かった」と話している。
この補助金の詳細は都・産業労働局(商工部地域産業振興課)のHPや同課【電話】03・5320・4787まで。
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