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多摩 社会

公開日:2025.08.28

社会福祉法人こばと会
「たまっこ」で子育て支援
こそだてわくわく♪ワークショップ

  • 第五回「自分自身の宝物を考えよう」のワークの様子=昨年度

  • ワークショップについて語る橋満さん

 社会福祉法人こばと会(落合/元井由隆理事長)は、4つの保育園と6カ所の学童クラブ、不登校の子どもが過ごす場やヤングケアラー支援の拠点「リバティ(諏訪)」などを運営。そして、昨年度から携わっている多摩市こども家庭センター「たまっこ(豊ヶ丘)」では、子育て中の母親を支援するワークショップなども開催し好評の声が上がっている。

 「たまっこ」では、0歳から未就学の子どもとその家族、親子がのんびりと遊んだり、くつろいだりできるスペースの子育てひろばを設けている。遊具や絵本があり、自由に遊べる。また、子育て中の保護者のリラックスなどのため一時的に子どもを預かる制度も実施している。

 そんな親子の元気な声が響く「たまっこ」。子育て支援者のスキルアップ、交流などをサポートする人材育成や研修なども実施している。

新しい試み

 昨年度、初の試みとして全6回の「こそだてわくわく♪ワークショップ」を開催した。受講者に好評で、今年度も開催が決定した。講師は一般社団法人ビジネスエニアグラム協会の中島美暁さんが務める。性格診断ツール「エニアグラム」で自分らしさを再発見しながら、子育てや自分自身を見つめ直すことがテーマだ。

 「エニアグラム」はギリシャ語で「9の図」という意味の幾何学図形で人間には9種類の本質があり、すべての人間はそのうち一つを持って生まれてくるという考え方。

 今年度は9月10日(水)に開講。毎回テーマを設けたプログラムを通して自分を見つめなおす(日程とテーマは下段枠内参照)。定員は20組(先着順)、保育は10人(申込み先着順)。問合せ・申込みは「たまっこ」に直接か電話【電話】042・375・0104で。

変化が生まれた受講生

 昨年度は、子育て中の母親15人が参加した。「子育てに行き詰っていたが変わることができた」「子育てをこなすだけだったが、子どもを愛しながら自分の時間も持てるようになった」など変化を感じ取った人が多かったようだ。

ワークショップで大きな変化 昨年度受講者 橋満 望さん

 3歳の娘の子育てに行き詰っていた橋満望さんは、昨年度、ワークショップを受講した。積極的に人と接することが苦手だった橋満さんが、全6回のワークショップすべてに参加したことで、自身の性格や子どもとの向き合い方に大きな変化をもたらしたという。忙しかった仕事を辞め、今年、起業するまでにいたった道のりについて話を聞いた。

突破口を見つけに

 参加する前の橋満さんは、介護の仕事をしながら初めての子育てをしているなか、仕事も忙しく、子どもの不測の事態などもあり、何事もやり過ごす日々が続いていた。「漠然とした不安にかられ、子どもと向き合わずにただ育てる毎日だった。突破口が欲しかった」と振り返る。

 そんな橋満さんは「たまっこ」のチラシを見てワークショップに応募した。橋満さんは「参加することに勇気が必要だったけど、途中でやめてもいいからと応募しました。とにかく何かを変えたかった」と話す。

 1回目の参加者は10人ほど。やはり、初回は孤立してしまい、話の輪に入れずに隅の方にいたという。「自己紹介から性格自己診断、ワークショップと立て続けにすることが多くて、自分で何をしたかも覚えてない」というワークショップに必死に参加することで、徐々に性格分析に興味がわいていた。「講師の方が温かく、優しい雰囲気で接してくれた。参加しているお母様方も素敵な方ばかりだったのも続けられた一因です」

エニアグラムに挑戦

 エニアグラムでは、初回から自分のタイプを見つけられる人もいる中、橋満さんは自己診断ができなかった。初回では「完全主義者タイプ」と判断したが同じタイプの人と話が合わず、結局は「ロマン主義者」だと分かり、気が楽になったという。

 橋満さんは「自分のことを客観視することができ、人の反応を見てさまざまな考えがあることを知った。子どもにも考えがあり、頭ごなしに怒るのではなく何故そうしたのかを、一呼吸おいて接することができた」と話し、子育てに変化も生まれた。

 子育てだけではなく、自身の性格にも変化が表れた。橋満さんは「人ともガンガン話すし、講座などにも積極的に参加するようになった」と明るい表情に。市が主催する「創業女子会」に参加したことがきっかけで起業を決めた。子育てしながらも、自費ヘルパーと出張訪問型ベビーシッター事業を行う新会社「ケアサポートふわり」を立ち上げた。

「ぜひ参加を」

 今年度のワークショップで、橋満さんは日程が合えばサポートメンバーとしての参加も予定している。「子育てで悩んでいない人はいないと思う。人の輪に入ることをためらっている人にこそ参加してほしいですね」と呼びかけている。「参加費も無料ですから」と笑顔で語った。

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