海老名版 掲載号:2018年3月2日号
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新規連載 海老名むかしばなし 第8話「二神将の腕」

 ある夏のことであった。来る日も来る日も天には一片の雲もなく、やけただれた太陽はじりじりと大地を照りつけ、人も牛馬も暑さにあえぎ、畑の作物はみなうなだれ、枯れる寸前にまでなってしまった。

 近くの村々では大山へ雨ごいのお水をいただきに行ったり、氏神様へお祈りしたりしたが、一向そのききめはあらわれなかった。世間からは、「この上は国分村で雨ごいをやってもらうしか他に手はない」という切なる願いが高まってきた。

 いよいよ国分村の出番である。村中あげて大張り切りである。お薬師様の辰の神、巳の神をかつぎ出し、目久尻川の滝つぼに入れて水攻めにし、お坊さんが一心にお祈りをした。

 するとどうだろう、一天にわかにかき曇ってきたかと思うと、しのつくような大雨になった。お湿りは十分あった。人々は手を取り合って大喜び、畑の作物もほっとよみがえることができた。

 雨がやんで二神将を見ると、どちらも片腕がない。一同は「弱った弱った、神様を片腕なしで返すことはできない」とあたりを探しまわったが、いくら探しても見当たらない。しかたなくそのまま元のお薬師様へお納めし、おわびをしておいた。

 あくる朝一人のお百姓さんが草刈りをしていると、田んぼのあぜ道に昨日あれほど探した二神将の腕が落ちているではないか。これはきっと天の神様がはげしく雨を降らせた時、勢い余って二神将の腕をもぎとり、黒雲に巻き上げたとき落としたものと、さっそく拾い上げ、ていねいに元へもどしておいた。

 こんなことがあってから二神将の腕はますます磨きがかかり雨ごいの霊験は高まる一方となったということである。

 参考資料/海老名むかしばなし

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