新規連載 海老名むかしばなし 第11話「長寿綱(ちょうじゅつな)の尼(に)【2】」
《前回の続き》
この老尼にもやがて命が終わろうとする時が来た。老尼は床から起き上がって弟子たちに言った。
「私は年来、法華経を唱えて過ごしてきましたが、そのお陰か身に重い病も受けず、心苦しむ悩みごと一つだにありませんでした。このたび法華経の功徳を得て今から七日の後、日ごろ願っていたみ仏のもとに参ります。私の死後も皆、法華経を唱え、ますます道心を厚くしてください」と。
そしていよいよその七日目がやって来た。空に妙なる音楽が流れ始めたかと思うと寺のまわりに紫の雲がたなびき始め、それがさらに七色に変化して行った。
これまで床の中でかすかに法華経を唱えておられた老尼は、この不思議な現象が消えるとともに安らかに大往生をされたのであった。
これがほんとうの極楽往生だろうと一同は悲しみの中に声高らかに法華経を唱和するのであった。
老尼の行年は百余歳とも一四八歳ともいわれている。
参考資料/海老名むかしばなし
※前回の話を読みたい方は、本『海老名むかしばなし』を参照するか、またはインターネットで「長寿綱の尼 タウンニュース」と検索して下さい。
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