海老名版 掲載号:2018年6月15日号
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海老名むかしばなし 第14話「竜灯の松【1】」

 元禄十二年(一六九九)に今のところへ移築された国分の清水寺は、寺号そのものに水にゆかりがあるとおり、古くから水堂と呼ばれていた。本尊はご承知のように国の重要文化財の指定を受けている千手観音である。

 明治の中ごろまで、この寺の仁王門の前に大きなすばらしい松が、そびえ立っていた。この松の東南方約五〇〇メートルのところに滝があった。それは田に水を引くために目久尻川をせき止めてできたもので、四六時中どうどうと勇ましい響きをあげて落ちていた。そこは国分、望地、柏ケ谷の三つの村の境で人々は「お滝」と神聖化して呼んでいた。

 むかし、このお滝の主として滝つぼをおおう茂みに一匹の竜が住んでいた。そして夜ごとに清水寺に通い、かの門前の松の梢高く法灯をかかげては、一心に観音様に仕えていたのである。竜はこの明かりによって、村人が観音様の法力を信じ、ひとしくありがたいお導きに浴するようにとの願いを持っていたのである。この願いは村人にも通じた。毎夜この松に上がるみ灯(あかし)を見ては、だれしも賛嘆随喜し、果ては魔か不思議な思いにかられるのであった。それで、だれ言うとなく門前の松を「竜灯の松」とあがめるようになったのである。

 ある年のことである。南湖(現在の茅ケ崎市内)の一漁師が漁に出たところ、朝は穏やかであった空が一変して雲行きが怪しくなり、やがて大しけになってしまった。

《次回に続く》

参考資料/海老名むかしばなし

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