大山阿夫利神社下社の浅間神社に祀られている、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)と磐長姫(いわながひめ)についての「由緒書き」がこのほど完成した。浅間神社には大山祗神(おおやまづみのかみ)の娘、木花咲耶姫が祀られていたが、「父・姉妹の再会」を願う神社関係者らの働きかけで2012年8月、同じく大山祗神の娘、磐長姫の遷座が行われている。新たな由緒書きの設置時期は未定。
浅間神社は、下社本殿の向かって左側にひっそりとたたずむ。その近くには由緒書きの看板が立ち、祀られている木花咲耶姫と神社を紹介している。
今回完成した新たな由緒書きは、大山阿夫利神社の目黒久仁彦権祢宜がまとめたもの。神社の主祭神である大山祗神の娘神、木花咲耶姫と磐長姫を紹介しながら、家族の絆の尊さをつづっている。
看板の立て替え時期については「早急に」、「ケーブルカーが再開してから」、「来年6月の例大祭に合わせて」など様々な意見があり未定だが「なるべく早い段階で」と目黒権祢宜。
父と姉妹の物語
歴史書によると、大山祗神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫、迩迩芸命(ににぎのみこと)に2人の娘を差し出した。しかし、気に入られた妹の木花咲耶姫だけが妻として迎えられ、姉の磐長姫は帰された。以来、大山祗神が阿夫利神社の山頂本社に、娘の木花咲耶姫が下社の浅間神社に祀られてきた。
転機は10年ほど前。大山の宿坊、蓬生亭逸見の逸見信子さんが静岡県の大室山へ行った際、山中の神社に磐長姫が祀られていることを知った。逸見さんは「磐長姫をお祀りして親子の絆を一つにしては」と神社の関係者にかけ合い、2012年8月に浅間神社で遷座式が行われた。
完成した由緒書きでは、木花咲耶姫を「木の花の様に美しく繁栄する事を司る美の女神」、磐長姫を「岩のように盤石な生命を司る不老長生の女神」と紹介。神前で手を合わせ「人の絆を取り持ち、繁栄と長生を司る広大無比なる御神威と深遠なる御神徳を頂かれ、心穏やかに日々をお過ごし頂ければ」と結んでいる。
6月1日には浅間神社で年に1度の例大祭が行われた。式典では、吟剣詩舞橘流による詩吟の奉納や舞の奉納、有志による鈴と鈴緒の奉納などもあった。現在、神社には真新しい鈴と鈴緒が取り付けられている。
今年で遷座から3年が経つが、磐長姫の帰還を知る人はまだ少ないという。目黒権祢宜は「由緒書きを通じて、悠久の歴史を超えた親子の絆を知っていただけたらと思います」と話した。
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