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綾瀬 Histry of あやせ名産品会コラム

公開日:2016.07.08

Histry of あやせ名産品会
短期連載企画 Vol.2
汗をかき確立した「ゆるぎない名産品」
―(株)高座豚手造りハム―

  • オープン当時の綾瀬本店

  • 県の名産品にも選出

 (株)高座豚手造りハムは地産地消と6次産業化を進めるため、県内8人の養豚家の出資で1985年に本店がオープンした。本場ドイツのレシピを元に作った6種のハム販売から始まり、現在は50種ほどのアイテムを取りそろえている。



 同社の前身は飼料・優良種豚の共同購入や社員協同募集、全国初の集団家畜診療などを行った(株)神奈川畜産。進む都市化の中で、畜産業が共存していくため設立された組織だった。



 これが軌道に乗ったことで、取組みは次の段階へ。効率化のため豚の大型化が進む中、「美味しい豚肉作り」と「都市畜産のバックグラウンド作り」を掲げ、当時国が進めていた「地域農水産利用高度化施設整備事業」に名乗りを上げ、新事業に着手した。



最初は苦労の連続



 「最初はなかなか売れず苦労した」と話すのは創業者の1人であり、名産品会長を務める志澤勝氏。「美味しいけど高い」が、消費者からの率直な反応だった。



 「なぜ安くないのか」を直に伝えるためソーセージ作り体験を店舗で行う傍ら、自身も行商に出向き説明して歩いたという。また、来店頻度を高めるため安価で買えるコロッケを扱うなど、さまざまな営業努力も行ってきた。



 五感で感じられる機会を創出し、自ら汗をかき顧客ニーズを汲み取ることで、徐々に理解と認知度を広げていった。「とにかく安売りせず、本物づくりにこだわった」と志澤会長は話す。



 苦心の末に創り上げた逸品は、ドイツの歴史ある品評会で金賞を受賞。藤沢や相模原にも店舗を拡大し、かながわの名産品100選にも選ばれるなど「ゆるぎない綾瀬の名産品」としての地位を確立している。

 

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