花と野菜が畑で"共演" 小園在住 高橋元さん
小園の目久尻川沿いにある遊歩道を歩いていると、定規で線引きしたように几帳面に区割りされた畑が目に入った。さまざまな野菜に加え、色とりどりの花が咲く100坪ほどの畑を整備しているのは、近くに住む高橋元さん(79)だ。
普段は広報まちかど特派員を務める傍ら、講師として地域の魅力を伝え歩く活動をしている高橋さん。NPO法人ふるさと環境市民のふるさと宝カルタ担当として編集したカルタを柱に、郷土の歴史や農業・産業、文化など自らの足で調べ得た知識を市内各地で講演している。
高橋さんが畑仕事を始めたのは12年前。春日原で借りた300坪の土地を、今年4月末まで8人の仲間と耕していた。現在の畑はかつて活動で知り合った農家から借り受けた土地で、土壌改良と草取りから始め、わずか2カ月で今の形まで仕上げたという。
整備する時に意識したのが、遊歩道からの見た目。そのため区画を分け作業用の道を作り、芝桜やマリーゴールドなどを植えた。花に関しては、近所に住む笠間芳之さんも協力している。
「川のせせらぎと鳥のさえずりが聞こえる最高の環境の中、好きなクラシックを聴きながら農作業をする。とても充実した至福の時間です」と話す高橋さん。中央に置かれた休憩用のパラソルと椅子からも、「土仕事を楽しもう」という姿勢がうかがえる。
最近では散歩をする人から、「こんな畑見たことない」「毎日見てましたが、とうとうここまでやりましたね」など声をかけられることが多くなったそう。食べきれない野菜は、知人や友人にお裾分けするなど、コミュニケーションにも役立っている。
「農家なわけではない自分でも、ここまでできた。この畑が、セカンドライフの過ごし方の1つの見本になれば」と話している。
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