綾瀬版 掲載号:2018年10月5日号 エリアトップへ

〈第46回〉渋谷氏ゆかりのコースを訪ねる46 あやせの歴史を訪ねて 綾瀬市史跡ガイドボランティアの会

掲載号:2018年10月5日号

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 源頼朝、関東に、鎌倉に武家政権を樹立。梶原景時、比企能員(よしかず)、畠山重忠等、御家人同士、北条家絡みの小さな争乱はあったものの、鎌倉幕府の屋台骨を揺るがす程の争乱は無く概ね小康状態が続いていたこの頃。鎌倉幕府・幕閣・閣僚・有力御家人達、もとより渋谷庄・渋谷家も領土・領国経営に余念がなかった。後世、鎌倉武士と言えば清廉剛直・潔さが伝わっていたが、現実は、実情は…。鎌倉武士として、代々子々孫々を紡いでいかねばならなかった。もとより和田義盛、熟慮の断行だったが一族の主家筋からの綻びが生じては、一気呵成の勝算は空しく潰え、今、義盛、滅亡の危機が目前に迫って来ている事を予感していた。思えば義盛、祖父・三浦義明の嫡孫(ちゃくそん)として生を受け、三浦半島に、和田庄に割拠し、三浦一族の主要の将として衣笠城・怒田城・杉本城・和田城等々、仕置を任されて、義明の気性を受け継ぎ剛勇の将として名を馳せ、三浦の宏大な地を、また上総(かずさ)も領有。故(ゆえ)に北条氏の食指が動き、ともすれば政治の感覚に無頓着だった義盛、三浦氏の和田家の領土に北条氏の義時の熱い視線…が!今は執権として、何とか政治的に、巧妙に、策動を仕掛けて来ていたのだった。泉親衡(ちかひら)の件を切っ掛けに、両氏・両家、興亡を賭けるも、いつの時代もいつの戦いも、僅かの運と僅かの戦機が戦果を左右し、歴史にその名を留めていく。義盛、息子の戦死・一族の者達の敗死の報に接し、祖父・義明に己の不徳を心中で詫び、また高重に対して側近を走らせ無念と陳謝を伝え、自らは阿修羅の如く突進し、北条勢を突き崩すも力尽きて行く。一方、高重、乱戦の中、義盛の報を受け、今は生還を期し難し!!もとより、生きて渋谷の郷を踏めるとは想っていなかったが…。黄泉の父、重国へきっちり報告出来る様、兄・光重へ戦況を報告し、我亡き後、予(かね)て打合せ通り諸状況に対応して欲しい旨を伝えさせた。高重の視界に萌ゆる若葉の木立が、皐月の空が飛び去って行った。「帰らざる 己の命携えて 皐月の空に益荒男(ますらお)の道」。武蔵七党の横山氏、海老名氏等、義盛へ心を寄せる氏族、北条家を快く思わない氏族等々、義盛に同調した氏族・一族、大きな痛手を受けていく。時に健保元年(1213年)5月3日。戦いは終息。治承・寿永の内乱、鎌倉幕府創業と…勇将・名将の名を欲しいままにしてきた巨星堕つ!!鎌倉の府、予測されていた事だったが、騒然と愴然が交錯し、多くの有力御家人達、対応に苦慮するも、北条義時、巧妙・有無を言わさぬ戦後処理を進め、大きな権力と領土を掌中にした。  【文・前田幸生】
 

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