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綾瀬 コラム

公開日:2019.02.22

連載
路線バスっておもしろい!
第2回 ほとんどが中途採用のバス運転士路線バス運転士 坂井昭彦

 路線バスの運転士になるには、どんな資格が必要だと思いますか?



 まず人間であること…失礼しました。まずは大型二種免許を持っていることです。ではこの免許、どうすれば取得できるかといいますと、普通自動車免許取得後3年以上経たないと取れません。普通自動車免許は18歳以上ですから、大型二種免許は最低でも21歳以上ということになります。



 よって高校を卒業してすぐにバスの運転士にはなれず、大学を卒業して運転士になるためには18歳で普通自動車免許を取得し、大学在学中に大型二種免許を取得しない限り新卒でバス運転士になるというのは難しいのです。だから路線バスの運転士は、ほとんどが中途採用なのです。そのため、いろんな職種の人たちが集まっています。



 そこでおもしろいのは、長年経験した前職のしゃべり方や仕草というのは、そこそこ体に染みついてしまうものなのですね。見ていると、その名残りをとどめる人を多く見かけます。特に経験の浅いバス運転士ほど…。



 バスに乗っていて、車内アナウンスのしかたから、この運転士さんセールスマンっぽいねとか、スーパーの店員さんぽいとか、仕草などから自衛隊員みたいだねとか、あの人「オネエ」かな?なんて言っているお客様もいらっしゃいます。



 そうやって注意して見てみると、その運転士の前職がなんとなく想像できます。どうでもいいことですけれど、ちょっとおもしろくありませんか。



 そういう私も新人運転士だった頃、前職が学校の先生だったので、車内で騒いでいる高校生に向かって「君たち、他のお客様の迷惑になるから静かにしなさい」と注意したところ、小声で「なんか先生に注意されているみたい」という声が聞こえてきました。



 その言葉にドキッとして、それ以後、注意のしかたを変えました。路線バス運転士としての注意のしかたに…。

 

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