連載 路線バスっておもしろい! 第5回 ブレーキを踏まない高速バス路線バス運転士 坂井昭彦
観光バスのような形(下図)をして街と空港や、街と街とを高速道路を使って結ぶバス。これも路線バスなのです。海老名駅から出ている羽田空港行きのバスなどがそうです。このバス、高速走行時、運転の仕方にちょっとコツがいるんです。
実は高速走行時、一般的なブレーキ(フットブレーキ)は、ほとんど使用しないのです。なぜなら、一般的な路線バスより車体が重くてパワーもありますので、スピードが出ます。
そのためフットブレーキを多用しますと摩擦熱が多く発生し、ブレーキの効きが悪くなってしまうのです。またブレーキのパッド(ゴムのようなもの)がすり減ってしまい、メンテナンス代がかかってしまいます。
なので高速走行ではフットブレーキをほとんど使わず、エンジンブレーキや排気ブレーキで減速します。フットブレーキは危険回避のために急な制動が必要な時や、停止する寸前の時に使用するのです。
だから私たちは高速走行時、100m先、300m先、直線コースに関しては500m先を気にして運転しています。先の方が渋滞していないか、下り坂になっていないか、車線が工事や事故のため規制されていないかを気にして、何かある場合はエンジンブレーキや排気ブレーキを使って早めに減速するのです。
こうやって運転士は、バスのフットブレーキにあまり負担をかけないよう運転しているのです。逆に高速走行でちょこちょこフットブレーキをかける運転士は、あまり高速の運転に慣れていない人かもしれません。
そんなブレーキに業がある高速バスは、大きな荷物をトランクに入れ、シートがリクライニング(背もたれが後ろに倒れる)でき、途中で乗り換えをせずタクシーよりも安く、ゆったりと目的地まで移動できるので、一度利用したらやみつきになりますよ。
ただし、移動時間には余裕をもって利用してくださいね。
あやせ楽屋帳vol.111月24日 |
路線バスっておもしろい!1月24日 |
路線バスっておもしろい!1月10日 |
路線バスっておもしろい!1月1日 |
あやせ楽屋帳vol.1012月13日 |
路線バスっておもしろい!12月13日 |