連載 路線バスっておもしろい! 第8回 バス停の時刻表の意味 路線バス運転士 坂井昭彦
始発バス停を除く途中バス停のバス時刻表は、到着時間ではないということを、みなさんはご存知でしたか。
実は途中バス停の時刻表は、「その時間より前にはバスは発車しませんよ」という意味なのです。つまり、電車と違ってバスは道路をお借りして走るわけですから、信号で止まったり渋滞に遭遇したりします。
そのため電車のように定時運行が難しいので、途中バス停の時刻は到着時刻ではなく「その時分より早くバスは発車しませんよ」という”発車予定時刻”なのです。だから言い訳っぽくて申し訳ないのですが、道路事情によって少しぐらい遅れても仕方がないのです。
ところが、多くのお客様は電車と同じように、バスも定刻に発車するのが当たり前だと思っている人もおりまして…。バスが時刻表より1分遅く来ただけででも乗車される時に「遅いじゃないか」と言われたり、終点の到着が3分遅れても「遅延証明書を発行してくれ」というお客様もいらっしゃいます。
また、逆に道が空いていたり途中バス停のお客様の乗降が少ない時は、時間より早くバス停に到着することがあります。そういった時に時間より早く発車してしてしまうと、「早発(そうはつ)」と言って運行ミスになってしまいますので、その時は時間調整のため、時間になるまで停車します。「なんでこのバス、すぐに発車しないのかな」と思った時は、そういった事情がある時だと思います。なので、バスが5分遅れて到着してもイライラしないで下さいね。
もし時間に余裕がない時は、1本前のバスに乗車するくらいの気持ちでいて下さい。なんか言い訳っぽくてすみませんが、バスが遅れてもこういった事情があることを理解して下さいね。お願いします。
実は私も、バスの運転士になってわかったことなのです。
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