連載 路線バスっておもしろい! 第11 回 挙手(きょしゅ)をすること 路線バス運転士 坂井昭彦
路線バスの運転士がバス同士ですれ違う時、手を挙げてあいさつをしてすれ違う光景を見かけませんか。
ところが最近、すれ違う時の手を挙げてのあいさつを禁止しているバス会社が増えてきたのです。なぜだかおわかりになりますか?答えは安全運転をするためです。手を挙げるということは片手運転になり、とっさの対応が遅れがちになります。つまり事故を起こす可能性が高いということなのです。
でもちょっと思うんですよね。ほんとうに挙手をしたことによって事故が起きてしまうのかと。
また、挙手を禁じたことによって、お客様(乗客)から見ると運転士さん同士あいさつをしないですれ違うので仲が悪いのかしらと思われてしまうこともあります。当然そんなことはありません。バスのすれ違い時に挙手をしない運転士がいても、安全を優先する事情があることを理解してくださいね。たまに挙手の代わりにお辞儀をしてあいさつをする運転士もいます。
もちろん挙手を禁止していないバス会社のほうが実際には多いと思います。
■追伸(手紙ではありませんが、どうしても付け加えたかったので)
バスを運転していると沿道で小さな子供がバスに向かって手を振ってくれる時があります。そういう時は必ず安全運転に支障がない限り私は、おおげさに手を振り返します。子供は喜んでくれます。私もうれしいです。
もしかすると、その子供が何十年か後、そんなささいなことがきっかけでバスの運転士になるかもしれません。だって私がそうでしたから。
未来の運転士に、またバスのファンを増やすため、手を振っているおっさんは誰だい?私だよ!(昔、西岡すみこさんのギャグでこんなのがありましたよね)
あくまでも手を振るのは安全運転に支障がない時だけですよ。念のため。
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