あやせ楽屋帳vol.3
県内各地を回り、文化行政が地域の誇りを醸成すると感じるようになった。その点において綾瀬市はトップクラスの自治体ではなかろうか▼図らずも、今号の紙面ではその文化行政にまつわるネタを多く掲載することになった。文化財企画展には二度足を運び、その二度とも会場に活気がみなぎっていた。十五夜月見の会場となる神崎遺跡にも初めて足を運んだが、かん濠と呼ばれる堀の内側には住居跡があり、古の弥生人の営みを空気で感じることができた。この高台で十五夜の月を眺めながらソプラノ歌手の声を聴かせるとは、なかなか粋だ。しかも十三夜にも同様の催しがあるときた▼表面に掲載した動物議会の話題も、良くよく考えれば神崎遺跡にまつわるものだった。結果として相当の紙幅を文化行政に割くことになった▼事件事故をのぞき、スポーツも福祉も政治も教育も経済も、まんべんなく取材するのがモットーだが、これだけ工夫を凝らされては致し方がない。地域資源の遺跡に若い世代が引き寄せられた証が今週の人物風土記にも現れている。
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