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綾瀬 コラム

公開日:2019.08.23

連載
路線バスっておもしろい!
第13回 「ありがとう」と言われる仕事 路線バス運転士 坂井昭彦

  • 絵・坂井なな子

 路線バスの運転士って、いい仕事ですよね。だって日常的にお客様から「ありがとう」って言われるのですから。



 ありがたいことですよね。お客様から運賃をいただいて、そのうえお礼まで言っていただけるのですから。こんなにいい仕事、なかなかないですよね(ちょっとおおげさに書きすぎたかな?)。



 こちらがお金を支払って相手からお礼を言われるということはよくありますが、お金(運賃)をいただいたうえにお礼を言っていただけるなんて。言われなくて当たり前なのに。



 そう思うと私は、しっかりと仕事をしないとお客様に申し訳ないという気持ちになります。



 以前、雨あがりの時、停車しようとするバス停に水たまりがあったのでずらしたところに停車し、バスの扉を開けました。



 すると何人かのお客様がその行為に気づき、降り際に「お気遣いありがとうございます」と言って降りて下さったのです。



 私はほんのちょっと気づかっただけなのに、これほどまでにお礼を言われるなんて。当然のことながらとてもいい気分になりました。お互い人間ですからね。気持ちが通じるとうれしいですよね。



 こんな経験ができるのも路線バス運転士の魅力かもしれません。「ありがとう」という言葉、なんてすてきな言葉なんでしょう。このような言葉をお客様からかけていただけるのが路線バス運転士という仕事なのです。



 そのかわりちゃんとやらないと苦情をいただくこともありますし、事故などのリスクもありますからいつも気を引き締めて取り組まなければならない仕事でもあります。



■この連載に関連した本として「吾輩は路線バス運転士である」坂井昭彦著(湘南社)定価800円(税別)が綾瀬タウンヒルズ内「くまざわ書店綾瀬店」に置いてあります。よかったら読んでください。

 

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