三浦版 掲載号:2012年10月19日号
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タウンレポート 観光に一助、城ケ島渡船

潮の流れと風の変化を判断し、揺れを最小限にするよう心がけ操縦する
潮の流れと風の変化を判断し、揺れを最小限にするよう心がけ操縦する

 城ケ島大橋が完成する前は、三崎と城ケ島を結ぶ交通手段は船。城ケ島の渡舟はかつて、島の人々の日常生活に直結したもので欠かせない存在だった。1960年、渡舟は城ケ島大橋の開通で役目を終えた。約半世紀が経った2008年5月24日、(株)三浦海業公社によって渡舟の運航が再開。渡船の名は「白秋」。多くの観光客や島の住民らは一時の船旅を満喫している。

海路と陸路の共存

 「観光と城ケ島に住む人たちの交通手段として渡船の運行を始めた」と、再開のきっかけを話す同社の宮川明久さん。三崎港と城ケ島までの乗船時間は片道約5分。料金は、大人200円、子ども100円。1959年(昭和34)は、往復20円(ラーメン1杯が30から40円)。現在、三崎と島を1日平均20往復している。震災前は年間約4万人の利用があった。震災以降減ったが、今年に入り戻りつつあるという。燃料は、食用廃油を原料としたバイオディーゼルを使用。利便性向上を目的に両岸に呼び出しボタンを設置、利用者の呼び出しに応じて運行している。船も運行方法も半世紀という時代の流れとともに進化した。

 渡船の操舵手は、浅井宏信さん(65)、渡辺俊治さん(70)、刈谷徳成さん(71)、葉山仁さん(65)。三崎港の岸壁で「いらっしゃいませ。足元に気をつけて乗船してください」と、乗船客一人ひとりに笑顔で声を掛けるのは操舵手の一人浅井さん。全員が乗り込むのを確認すると、渡船のテンポの良い独特のエンジン音を響かせながら、船は城ケ島へ向け風をきって進む。「海からの景色を楽しんでもらおうと、出来るだけ揺れないように安全な航行を心がけている」。

 浅井さんは、サラリーマンを定年後、同社に入社した。サラリーマン時代は、釣りを趣味としていたこともあり船舶の免許を所持。定年後、海に係る仕事をしたいと考えこの仕事に就いた。「橋のおかげで城ケ島への交通は便利になった。しかし、あえて昔のスタイルを残すというのも風情があっていいよ」と優しく微笑む。「短い時間の航行だが、乗船客は海の交通を楽しんでいるようだ。気持ちの良い時間を過ごしてもらうのが私たちの仕事」と話す。「昔の人は舟で渡っていたんですよね」と感慨にひたる観光客も。「『今日も元気』と何でもない会話だが、海の上だと陸とは違う心地良さがあるんだよ」と、コミュニケーションもこの仕事の醍醐味としみじみ語る。
 

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