「幸せをありがとう」 上原中学校校長 久野浩一
22歳の時、教員として最初に着任したのが上原中学校だった。そして、校長として上原中学校の最後を見届ける。「感慨深いものがある」と、うつむき寂しさを滲ませた。
2年前、上原中学の校長に。当初は、エネルギッシュな生徒に手を焼いた。最初に取り組んだことは、生徒との信頼関係の構築。生徒とのコミュニケーションを大事にしようと先生に呼びかけた。自身は、自らが作る学校だよりで発信した。生徒、保護者、先生に読んでもらえるように心がけて作った。たよりには、生徒を褒めたたえる内容から、時には公表したくはないことなど包み隠さずありのままを書いた。たよりを通じて、それぞれのコミュニケーションは深まっていった。PTAの協力も大きかった。「生徒の意識も変わり、誇れる上原中にしようという思いが強くなった。子どもたちは皆、純粋だよ」と胸を張った。
4月から、新しい三崎中学校として歴史のページを刻むことになる。「中学統合という環境の変化で生徒たちは様々な壁にあたると思う。しかし、社会人になれば今以上に困難が待ち受けている。この状況を社会に出る前の予行練習と捉え、前向きに進んでほしい」と生徒にエールを送った。
上原中の校長として過ごした2年間はとても充実し、質の濃い2年だったという。今、心から思うことは「幸せをありがとう」―。
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