三浦市は先月30日、人口の現状や将来展望をまとめた「人口ビジョン」と、地域事情に即した五カ年の施策の方向性と講ずべき対策を示した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定、公表した。
昨年11月に国会で成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて、今年度中に全国の自治体で計画策定と推進が義務づけられている。三浦市は、街が抱える喫緊課題を重点施策として総合戦略の4つの基本目標に据え、具体的数値を盛り込んでいる。
今年度、市が実施した市民アンケートの「行政が最も重点的に取り組むべき事柄」という設問で一番回答が多かった「地域経済の振興と雇用の安定」。塩漬けになっている二町谷地区埋立地への企業誘致、三崎中学校跡地の利活用促進により、2019年までに150人の雇用を新たに創出することを掲げているほか、積極的なセールスプロモーションや市内事業者の連携強化で産業振興を図りたいとしている。
2つ目は「転出抑制と転入促進のための定住支援」。現在、産官学連携で進められている空き物件を使ったトライアルステイ(お試し居住)をはじめ、子育て世代の転入を促す「子育て賃貸住宅」や都市計画の線引き見直しの検討を行う。これにより、09年から13年にかけて1040人だった社会減を、177人に抑制したいとしている。
第3の目標は、若い世代の結婚・出産・子育て環境の充実。来年度予定されている小児医療費助成の対象年齢引き上げ、子育て中の女性も家庭と仕事を両立できる保育サービス事業を19年度までにスタートさせるなど具体案を提示したうえで、5年後の合計特殊出生率目標を1・27(13年は1・09)をめざす。
最後は人口減社会に合った住みよい地域づくり。市の厳しい財政事情を鑑みた、医療費抑制・公共施設の適正な維持管理の実践。併せて超高齢化社会を反映した市民の健康維持に関する取り組みなどを挙げ、市民の安心安全な暮らしを確保する方針だ。
市政策課担当者は「定住促進や経済振興を支えるのは働く場所の創出」と話し、総合戦略の最重要課題を雇用の拡大と安定と位置づけ、施策の着実な遂行を図っていく。
人口減を抑制
今年9月時点の市内総人口は4万5154人。1995年の約5万4000人をピークに減り続けている人口は今後も減少が続くとみられている。市の試算によると、2060年には現在の半分以下の約2万1000人になると予測されているが、創生総合戦略の施策効果で減少のペースを緩やかにさせ、2万6000人に抑制したい考え。
三浦版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|