諸磯にある有料老人ホーム「油壺エデンの園」に暮らす堤恭子さんが先月15日、三崎小学校に木彫りの鳥の模型66体を寄贈した。
今にも楽しげなさえずりが聞こえてきそうなコマドリ。眼前の獲物に狙いを定めて急降下するカワセミ。青い目元と華麗な長い尾が特徴のサンコウチョウ――。
これらはすべて、木片から彫刻刀で彫り出した木の鳥たちだ。一般的に「バードカービング」と呼ばれるもので、図鑑などから図面を引いて下絵を描き、原寸大に彫って色付けをした彫刻を指す。
今回寄贈された作品を手掛けたのは、恭子さんの夫で2年前に他界した進さん。定年後の趣味として始めて約30年。100を超す木の鳥たちに生命を吹き込んできた。「ものづくりが好きな人で、ほんの手慰み」と恭子さんは話すが、羽毛の柔らかな質感や色彩、骨格、筋肉などを忠実に再現し、いきいきとした動きは本物と見紛うほど。
長らくしまわれていたが、市教育委員会に「活用してほしい」と寄贈を打診。三崎小での受け入れが決定し、日の目を見ることになったという。
先月、同校で行われた贈呈のセレモニーには、代表して4年生児童が参加。「鳥たちも喜んでいると思う。可愛がって仲良くしてあげてほしい」と堤さんが呼びかけると、児童らは「きれいで本物みたい」「見ていると幸せ」「愛情を注いであると思った」などと喜びの表情で感想を話し、リコーダー演奏で感謝の意を伝えた。
机の上にずらりと並んだ作品に子どもたちは興味津々。同校の及川圭介校長は、「理科や図工の授業などの教材として積極的に活用し、できるだけ多くの場面で見られるようにしたい」と話した。
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