一般住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されるのに伴い、営業を希望する事業者の事前届け出が、今月15日に全国で一斉に始まった。三浦市内では、鎌倉保健福祉事務所三崎センター(六合)に窓口が設けられ、問い合わせに対応。19日現在、届け出はまだないが、生活衛生課は「解禁に向け、今後増えるのでは」と話している。
「民泊」とは、戸建やマンションなどの住宅の全部または一部を活用し、旅行者等に宿泊サービスを提供する施設(出典・観光庁)。2020年の訪日外国人観光客数目標を4000万人に設定する政府は、全国的に不足する宿泊施設を補う受け皿の1つとして期待を寄せている。
事業希望者は、都道府県知事等に台所や浴室など設備の詳細を記した間取りや住宅登記事項証明書、誓約書などの書類とあわせた届け出が必須。受理されれば、住宅専用地域で年間180日を上限に営業することができる。
民泊新法と同時に改正旅館業法も施行。無許可営業など旅館業法を違反した場合の罰則を、3万円から100万円に引き上げるほか、都道府県知事は報告徴収や立ち入り検査の権限を持つことも盛り込まれている。
指導監督を強化
先月21日に行われた神奈川県議会定例会では、県の基本姿勢や今後の実施方針について議員から質問があがった。これに対し黒岩祐治知事は、「増加が予想される宿泊需要に的確に対応する上で有効」と民泊事業の潜在的な可能性を示唆。その上で「統一的な対応が必要であり、行政指導方針を策定する。健全な事業が推進されるよう市町村とも調整して取り組みたい」と述べた。
また、需要拡大に伴い、近年では無許可の「ヤミ民泊」が取り沙汰されていることについて、違法民泊を把握し、指導するためインターネットを使った調査を実施するなど取り締まり強化の具体案を示した。
三浦でも活況
民泊仲介サイト大手の「エアビーアンドビー(Airbnb)」の物件情報によれば、三浦市内でもおもに三崎地域を中心に多数掲載。大人数収容可能な海から徒歩数分の一軒家や自然を臨むリゾートマンションやロッジなど、概ね数千円から1万円代で宿泊できることから、釣り客やファミリー層などに人気を集めている。
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