三浦市は、事業者撤退による空きテナントとなっていた、三崎水産物地方卸売市場の2階食堂の新たな使用候補者を、「三崎観光株式会社」に決定したとこのほど発表した。先月下旬まで公募を行い、審査によって4社から選定。今後、契約を締結し、店内の改修を行った上で「10月末頃の開店をめざしたい」と同社は話している。
使用候補者となったのは、三浦市内でホテル京急油壺観潮荘や城ヶ島京急ホテルを手掛ける「三崎観光株式会社」(小網代1152)。京急のグループ企業として、ホテル併設のレストランやマリーナ運営などを行っており、詳しい評価点は公表されていないが、「事業計画やアイデアは甲乙つけ難かったが、これまでの飲食店経営の実績や京急グループが持つノウハウやネットワークが支持を集めた」と市水産課は選考結果を総括する。
現時点で店舗名や具体的なメニューなどは未定だが、市は公募に際して、
【1】市場内で就労する出荷者・仲買人・そのほか市場関係者の福利厚生施設的要素を持つため、「価格設定・スピード・味」などで満足度を向上させる
【2】地産地食の食堂として、地元の水産物・農産物・加工品等を食材として利用し、シティーセールス効果を高める
【3】三崎漁港周辺への来遊客の利用を想定した品ぞろえで顧客満足度向上に取り組み、三崎朝市の開催にあわせた営業時間とする―との事項を提示していることから、同社は「まぐろや野菜を中心に提供し、地元の方も入りやすい食堂づくりをめざす」としている。
あわせて、グループ会社の強みをいかして「みさきまぐろきっぷ」への加盟や団体ツアー客の積極的な誘致、魚市場見学や自社ホテルとのタイアップを構想するなど「観光で地域活性化に貢献したい」と話す。
前事業者は7月退去
2011年から同所で食堂を営業していた前事業者は、月額の施設使用料の滞納を理由に今年3月、市から使用不許可処分を受けた。その後、処分の取り消しなどを求めて横浜地裁に提訴していたが、フロアの明け渡しを含む和解案を受け入れ、7月末で退去していた。
周辺には市場関係者が利用可能な早朝営業する飲食店はなく、また、にぎわい創出の一端を担っていたことから、市は市場食堂の維持に向けて公募を行っていた。
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