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手作りすれば自由度倍増 矢作海岸で 丸太からカヌー制作中

スポーツ文化

掲載号:2019年4月19日号

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作業が一段落したカヌーに座る(左から)土橋さん、豊岡さん、齋藤さん
作業が一段落したカヌーに座る(左から)土橋さん、豊岡さん、齋藤さん

 一本の丸太をくりぬき、手作りしたカヌーで海に漕ぎ出す。そんなロマンあふれるプロジェクトが、市内の矢作海岸で進んでいる。関係者は「海やそこで培われた技術に興味を持ってほしい」と作業への参加者を募集している。

 矢作海岸にある「三浦ビーチハウススタジオ」を拠点に、海の保全を啓発するイベントや講演、ビーチクリーンなどを行なっているNPO法人「海の歴史と文化を明日へ」のメンバーが進めているこのプロジェクト。

 逗子市在住で代表の豊岡誠司さんと4人のメンバーが全長4m、3人乗りのアウトリガーカヌーの完成を目指している。本体の横に浮きがつき、波の揺れに強く、古くからハワイやポリネシアの人々が乗っているものだ。

 豊岡さんはアウトドアとその道具を手作りするのが趣味で、これまでシーカヤックやSUPボード、パドルなどを自作しており、テレビに取り上げられたこともある。「今回はこれまでにない挑戦で丸太をくりぬくのは初めて。作る過程でたくさんのことを学べたら」

第一人者直伝

 プロジェクトは、ビーチハウススタジオのオーナーで、同NPO法人の前代表でもある齋藤豊紀さんが、国内のウッドアウトリガーカヌー制作における第一人者・土橋秀男さんを招いて実現した。

 南伊豆に住む土橋さんはハワイの職人から指導を受けた経験を持ち、地元を中心に各地で木製カヌーを制作してきたほか、地域でカヌーツアーを行っている。

運ぶのも一苦労

 「丸太から船を作るのは一つの夢でした」と口を揃えるメンバーたち。しかし、南伊豆の山から切り出されたセコイアの丸太は直径70cm、長さ5m、重さ1トンの大木。3月14日に海岸近くの道路までトラックで運んだが、砂浜を越えてビーチハウス前の作業場まで運ぶのも一苦労。重機を駆使しながら準備を整えた。

 手元にあるのは、おおまかな完成予想図のみ。土橋さんの頭の中にある設計図だけが頼りだ。木枠を作って切り落とす部分に目星をつけ、大型のチェーンソーで豪快に切っていった。

 「土橋さんの動きには迷いがない。身体が覚えているんでしょうね」と感心する豊岡さんがひとつひとつの作業の意味や理由を聞くと、「言葉で説明するのは難しいな。見て覚えてくれ」と土橋さんが答える。まるで師匠と弟子のようなやりとりが続けられた。

参加者募集

 作業は順調に進み、4月15日時点で大まかな削り出しは終了。残るは細部の作りこみと船全体の防水塗装作業となった。

 豊岡さんは「めったに見られない作業現場なので、大人から子どもまで、多くの人に見に来てほしい。実際に、木の温もりや先人たちの技術を感じてもらえたら」と話している。5月末の完成を目指しており、協力者向けの乗船体験会も開く予定という。

 作業実施日などの詳細や問い合わせは【URL】http://npo-urba.at.webry.info/へ。
 

(左上から反時計回りに)だんだんと船になっていく丸太。1トンの大木は100キロに。4日間の作業日数で形になった
(左上から反時計回りに)だんだんと船になっていく丸太。1トンの大木は100キロに。4日間の作業日数で形になった

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