金田の「高梨農園」はこのほど、同園で生産する野菜や果物を餡に使った大判焼きを商品化し、農林水産省の「6次産業化・地産地消法」の事業計画認定を受けた。「手づくりおやつ」をコンセプトに、うらりマルシェの同園直売所での実演販売を6月上旬から始め、味のバリエーションを増やしながら野菜と農業の魅力を伝えていく。
「三浦野菜をその場で食べられるところがまだまだ少ない」「まぐろを目当てに来た観光客が食べられるおやつをつくろう」――。高梨農園の高梨尚子さんは、オリジナルの大判焼き誕生の着想を振り返る。コンセプトは「手づくりおやつ」。1個あたり約60gの食べごたえある餡には、自社農園で生産したサツマイモ・カボチャ・夏ミカンを使用。素朴な味わいをめざし、県内で多くの6次産業化商品の開発を監修する料理研究家の矢野ふき子さんらと、食材の味や特性をいかす調理法を試行錯誤したという。
「暑い夏でも食べられるように」と限定商品を開発するなど、ラインアップにも工夫。モチモチとした食感の生地のなかに、夏ミカンと練り上げた白餡をはさんだ大判焼きを一度冷蔵庫で冷やしてから提供する「冷やし大判」は、柑橘の爽やかな甘さが特徴だ。「ポテトサラダや切り干し大根などを使った甘くない野菜のお菓子も作ってみたい」と今後の展開について高梨さんは意欲見せた。
「農業の魅力伝える」
同農園はこれまでにも、規格外野菜の有効利用と経営安定化を図るために手掛けた無添加ジャムが県の「なでしこブランド」の認定を受けるなど、6次産業化を積極的に推進。矢野さんは「ノウハウがあり、商品づくりがスムーズだった」と話し、高梨さんは「(商品を通じて)若い人にも農業の面白さが伝われば」と期待を込めた。
今月23日には、農林水産省関東農政局神奈川支局の坂本里美支局長から認定証が授与されたほか、試食が振る舞われ、参加者は笑顔で大判焼きを頬張っていた。
うらりマルシェ1階の高梨農園直売所「甘味くらわんか」で、6月上旬に夏ミカン、今秋からカボチャ・サツマイモを1個180円で販売予定。
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