神奈川県は先月末、城ヶ島大橋の渡橋料無料化に向け、早ければ県議会第3回定例会(11月)に漁港管理条例の改正案を上程することが分かった。2020年度内の施行をめざしており、長年の懸案解消にまた一歩近づいたことで、市民からは歓迎の声があがっている。
漁業関連用地が増えた城ヶ島の物流を支えるインフラ整備事業として、総工費約7億をかけて建設。1960年4月の開通以降、県漁港管理条例に基づいて渡橋料を徴収してきた。すでに事業費は償還されているが、塩害による老朽部分の維持管理費などとして、現在も午前8時から午後7時(冬季は6時)に通行する車両に対し、50円から530円(往復料金)を課している。
城ヶ島を訪れる観光客の減少、地域経済の衰退を危惧し、2011年に観光協会や事業者・三浦商工会議所らが中心となって4万超の無料化を求める署名を集め、請願書を同議会へ提出。全会一致で採択され、実現は地元の長年の悲願だった。
「地元と協議しながらなるべく早く実施したい」。昨年11月、「城ヶ島西部地区再整備方針」の発表会見で、地域活性化の進ちょくや機運醸成を鑑みながら無料化に踏み切るとの意向を述べた黒岩知事。先月には、認可地縁団体城ヶ島区による島西部地区のまちづくり基本構想が公表されるなど、具体的な動きが活発化している。
20年度中の実現を訴えてきた地元選出の石川巧県議は、「新たな観光の核づくり事業がスタートした13年当時、91万人と低迷していた観光客数は地元が心一つに盛り上がった結果、今では140万人超えている。無料化が実現することは大きな前進だが、来年以降の取り組みが重要になる」と話した。
プロモーションに力点
横浜・鎌倉・箱根に次ぐ、第4の国際観光地創出をめざし、県が推進してきた「新たな観光の核づくり認定事業」は、今年度が最終年度を迎える。
これに対し、9月の定例会代表質問で今後の支援策を問われた黒岩知事は、「よい流れを断つことなく、加速化させるため、交付金に変わる支援が必要」と答弁。都内主要駅での横浜・鎌倉・箱根と組み合わせた周遊宿泊のプロモーションや民間活力の活用で観光資源の磨き上げを行い、観光客の受け入れ環境を整えていく考えを明らかにした。
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