合同会社「MISAKI STAYLE」(以下、「ミサキステイル」)は、利用頻度が少なかった松輪会館内加工調理室の利活用をめざしたレンタルキッチン「キッチン松輪」を始めた。先月27日には、第1弾として1日限定で弁当を販売。買い求める人が続々と来店した。
時間貸しが行われているのは、松輪会館(南下浦町松輪1185)の1階にある加工調理室。約55平方メートルの広さに、回転釜や炊飯器、コンロなどの調理機器がそろう。
もとは「農村婦人の家」と呼ばれ、農家女性や高齢者らが、地場産品の加工技術や生活文化の向上、商品開発などを行う実習室として三浦市が整備。市から松輪区へ無償譲渡されて以降は、地域の防災訓練での炊き出しや祭礼時など、利用頻度は年に数回程度だったという。
地元のニーズ探る
これまで移住支援や使われていない住宅・店舗・蔵など、市内の「空き」空間の利活用に取り組んできたミサキステイル。同加工調理室を紹介され、松輪区から借り受けることを決めた。土地柄、会館の周囲には農家が多い。聞けば、外作業で多忙な昼食の準備に煩わしさを感じ、デリバリーを注文する世帯もおり、「自分たちが出来ることのなかで、弁当販売やケータリングのニーズがあるのではと感じた。家事負担の軽減にも役立てたら嬉しい」と代表の菊地未来さんは振り返る。
その後、保健所の飲食店営業許可を取得。「キッチン松輪」と名付け、誰でもレンタルできるよう準備を進めてきた。
弁当60食が完売
先月27日には初の営業日を迎え、同社が「べんとう松輪」を1日限定でオープン。1個700円で、生姜焼き弁当・チキン南蛮弁当の2種を販売した。ボリュームを重視し、サラダ・煮物・漬物などには地元野菜をふんだんに使用。「出来立てのお弁当が三浦海岸や三崎まで行かずに買えるのが嬉しい」と、地元客は笑顔で受け取っていた。
この日用意した約60食は、閉店時間の午後2時を待たずに完売。初めての試みに手ごたえを感じたという。今月24日(火)午前11時から午後2時にも開店予定で、菊地さんは「今後も月1回のペースで販売できたら。ゆくゆくは規格外の食材を活用した弁当や加工品づくりにも挑戦してみたい」と展望を話した。
◇ ◇ ◇
キッチン松輪は料理教室、商品開発、食事会などで利用可。料金は用途により異なり、3時間2千円から(延長1時間ごとに1千円)。
詳細は同社【電話】046・876・8492
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