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三浦 文化

公開日:2023.02.17

キャラクターデザインの先駆者
土方重巳の多彩な世界
横須賀美術館で企画展

  • 「さんびきのこぶたのものがたり ぶーふーうー」原画(「別冊キンダーブック」1960年 フレーベル館)/古き良き文化を継承する会蔵

 戦中・戦後は主に東宝映画でポスターや映画広告のグラフィックデザインを手掛け、その後は数多くのキャラクターデザインを世に送り出した土方重巳の仕事をたどる関東初の回顧展が、横須賀美術館(横須賀市鴨居4の1)で開かれている。

 「キャラクターデザインの先駆者」と言われる土方。転身のきっかけは、劇作家・飯沢匡との出会いだった。「きれいでキチンとしたものを、子ども達の心に植えつけたい」という飯沢の信念に共感。絵本版『ヤンボウ ニンボウ トンボウ』や、NHK「おかあさんといっしょ」の人気人形劇「ブーフーウー」、同番組内では「ダットくん」「とんでけブッチー」など、数々の魅力的なキャラクターを生み出した。ほかにも、土方がデザインを担当した「人形絵本シリーズ」は、世界78カ国・15カ国語、80種類が出版されている。

「サトちゃん」会場に

 また、佐藤製薬のキャラクター「サトちゃん」の生みの親として知られ、アサヒビール「ほろにがくん」など、企業キャラクターが登場する人形アニメーションCMの分野でも足跡を残した。

 会場では、キャラクターの原画やグッズのほか、土方が戦前・戦中、東宝時代に関わった名作映画のポスターと希少な原画、バレエやオペラの公演ポスターなども展示。大小さまざまな約300体の「サトちゃん」を紹介するコーナーも設けられる。

*  *  *

 「キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界」展の会期は4月9日(日)まで(3月6日(月)・4月3日(月)休館)、観覧料一般1000円、高大・65歳以上800円、中学生以下無料。

 問い合わせは同館【電話】046・845・1211

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