個展「視座〜植物を視る・漂着物を視る」を開いている 米山 幸助さん 遠藤在住 41歳
自然愛でる画家の「視座」
○…ビワやアジサイといった植物を描いた日本画のほか、片瀬東浜で拾ったボタンや洗濯ばさみなど漂着物によるコラージュ作品を「ART&CAFE 湘南くじら館」「コミュニティーカフェ 江の島むすぶ」で展示中だ。毛色の違った題材を取り上げた約40点を通して、自身の「視座」を紹介。「身の回りにあふれるものばかり。見方が変わってもらえれば」
○…村岡生まれ、遠藤育ち。サッカー少年だった一方、陶芸が趣味だった祖父の存在もあり、アートにも興味を抱いた。「好きなことを仕事にできたら」。予備校講師の勧めで日本画を専攻し、多摩美術大学へ。制作の取材として動物園や水族館に通い詰め、生き物や飼育設備といった人工物を描いた。「日本画は時間が掛かる」。鉱石を砕いて粉状にした岩絵具を溶かした膠(にかわ)と混ぜ、1色塗って乾かし、また何層にも色を重ねていく根気のいる作業。「だからこそ奥深い」と、その魅力を伝えるために絵手紙教室を開いている。
○…魚釣りがてら元々ビーチクリーンをしていたが、「拾っても拾っても自分の力だけではどうにもならない」と途方に暮れた。「でもよく見ると、カラフルでポップなごみたち。画材に使えないか」。自身のモチベーションを上げようと、コロナ禍前から漂着物での作品づくりに挑戦した。キャンバス1つに、1日1時間で採取したプラ片を無作為に貼り付けた集合体は日記のよう。ごみに新たな価値を与えた。
○…エアープランツを自宅で育てている。植物は好きだが、モチーフにしたのは初めて。「線の引き方、色の使い方など発見が多かった」。描くことは生活の欠かせない一部。人と自然との関わりを模索しながら、故郷の風景をくっきりと浮かび上がらせていく。
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