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「楽曲が人々に感動と勇気与えた」 故・加藤旭さんに市が感謝状

文化

掲載号:2016年10月28日号

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病床でも作曲を続けた加藤さん
病床でも作曲を続けた加藤さん

 今年5月20日、市内玉縄在住で栄光学園高校2年の加藤旭さんが小児脳腫瘍のためこの世を去った。加藤さんは4歳から作曲活動をはじめ、その16年の生涯で約480曲を制作、これまでに2枚のCDを発表している。これらの楽曲が「人々に感動と勇気を与えた」として、松尾崇市長は10月21日、感謝状を母親の希さんに手渡した。

4歳から作曲

 加藤さんは滋賀県生まれ、大井町育ち。幼少期からピアノに親しみ、「自由帳に落書きする」ように4歳から作曲を始めた。その後、バイオリンやチェロも習うなど、音楽は常に身近なものだった。

 作曲のためのノートは常に持ち歩き、メロディーが思いついたらすぐに書き留めた。こうして完成した作品は2006年と09年に東京交響楽団「こども定期演奏会」のテーマ曲に選ばれるなど、高い評価を受けていたという。

 中学受験で作曲から遠ざかった時期はあったものの、学校生活が落ち着き再び音楽の道に邁進しようとしていた矢先の13年10月、中学2年生だった加藤さんに、小児脳腫瘍が見つかった。

音楽が光に

 入院、手術を経て同年11月には復学。しかし14年8月の検査で再発が明らかになった。

 再び手術を受け、2カ月後には再度復学するも長時間の通学が難しくなったため、家族で大井町から市内玉縄へ転居。15年2月には放射線治療も始まったが同4月に歩行が難しくなり、5月にほぼ視力を失ってしまった。

 厳しい闘病生活のなか、加藤さんの生きる希望となったのが音楽だった。病床でペンをとり、作曲に熱中。同時期に願い事をつづっていたノートには「自分の作った曲をなにかに役立てたい」「曲をCDにし小児脳腫瘍の治療法の確立を訴えたい」と書かれている。

 15年5月、幼少期の楽曲を集めたアルバム「光のこうしん」が発表されると、新聞等でも大きく報じられ、闘病生活を送る人々から続々と応援メッセージが届いた。

 その後病床で作曲した「船旅」などを収録した2枚目のアルバムの制作が進行するも、音源が完成した5月20日、加藤さんは天国へ旅立った。

広がる反響

 こうした加藤さんの活動を称えようと鎌倉市は10月21日、母・希さんに感謝状を贈った。

 贈呈式は加藤さんの楽曲が流れるなか、市役所庁議室で行われた。松尾市長は「多くの人に勇気と希望を与えた加藤さんの楽曲は、病気を乗り越えようと頑張る人の励みになると思う」と話し、希さんは「10月はちょうど息子の誕生日。思わぬプレゼントを貰えたようで、とてもうれしいです」と感想を語った。

 2枚目のアルバム「光のみずうみ」は6月5日に発売され、来年春には、第3弾のCDが制作される予定だという。ここには、視力を失ってから初めて作曲した「A ray of light―一筋の希望」も収録される。また11月20日には北海道の朗読公演で、加藤さんの楽曲が使用されることが決まるなど、反響は広がり続けている。

 希さんは「音楽という形で旭が存在し続けているのはうれしい。あの子にしかできない生き方を見せてくれた。旭の曲が、多くの患者さんの励ましとなり、また小児脳腫瘍への理解が深まるきっかけとなれば」と話している。

 CDは、一般社団法人アーツスプレッド(http://mit-on.com/)のホームページから購入できるほか、ヤマハ銀座店、栄光学園購買部で販売される予定。

感謝状を受け取る母親の希さん
感謝状を受け取る母親の希さん

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