聴く人を様々な旅に誘うような、柔らかな歌とメロディ―。茅ヶ崎在住のシンガー・ソングライターCaravan(キャラバン)が、新たな環境としてプライベートスタジオを市内に立ち上げ、このほど最新アルバムを完成させた。
昨年末、7年間所属していた大手レコード会社を離れた。ターニングポイントとなったのは東日本大震災だ。茅ヶ崎に自分のスタジオを建てようと準備していた矢先の出来事。被災地となった石巻から届くはずの建築資材も届かず、一度作業をストップさせた。
「まずは自分の眼で状況を確かめようと東北へライブに行ったんです。こんな時に?って考えもありましたが、被災地ではこんな時こそ音楽を伝えるのが大切だっていうことと、ばらばらになってしまった人たちが集まることが出来る場所やきっかけみたいなものの重要さも分かりました」。
人々の価値観が大きく揺らめいたこの時期。自身が選んだのは「いちミュージシャンとして、何かに頼らず、これまで以上に自立した音楽活動をしていこう」という、ある意味原点ともいえる考え。「自分のペースで、そしてより覚悟を持って、ですね」と、穏やかな表情の中にも強い意志を感じさせる。
最新作は手から手へ
「マイクを立てて録音ボタンを押したのも自分で、録った音を仕上げる作業もこのスタジオで行いました」と話す、まさに手作りの最新作「The Sound on Ground」が6月1日(金)に発売される。
鉄砲道を通って自宅とスタジオを往復する時は録った音を確認しながら、そして地元の仲間との日々の交流など、最新作からは湘南の空気感を内包したホームメイドな感触も伝わる。
先日の日比谷野外音楽堂ライブで先行発売された今作はCDショップなどでの販売予定はない。ライブ会場と自身のホームページ、それと気心の知れた茅ヶ崎の一部店舗に置かれるだけだ。「町の商店街のお豆腐屋さんがこだわりの美味しい豆腐を売るような、手から手に渡るダイレクトなコミュニケーションが取れるやり方だと思います」。
今年は初となるフジロックフェスティバル出演も決定。自身も変革を迎えた今、新たなCaravanが見られる1年となりそうだ。
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