茅ヶ崎と宮城県気仙沼の小・中学生のサッカーを通じた交流や支援を毎年続けている「特定非営利活動法人ちがけせんプロジェクト」。その代表理事・日向正篤さん(62・浜之郷在住)は「私たちにとってはもう10年。でも被災地の人にとっては”まだ”10年」と月日の流れを思う。
コロナ禍を受け、団体としての活動ができなかった2020年。それでも日向さんは春と夏、個人的に気仙沼を訪問した。「顔を合わせることで、また切実な話が溢れてくる。復興が進み街並は変わっても、人は変わらない」
2011年3月、日向さんの友人の実家がある気仙沼に、震災直後に物資を届けたことから活動は始まった。仮設住宅が建設された学校のグラウンドで、「サッカーをする場所がなくなっちゃった」という子どもたちの声を聞き、翌12年に気仙沼の小・中学生を茅ヶ崎に招待した。それを機に、毎年夏に茅ヶ崎、春には気仙沼でサッカーを通じた交流を続けている。
熱量変えず伝え続ける
最初は子どもと大人合わせて1000人いた参加者も、3年が経つ頃には100人ほどに。たくさんいた他の支援団体も時間とともに数が減っていく。しかし「震災を風化させてはいけない」。経済支援として気仙沼のサンマやホタテを仕入れ、茅ヶ崎などのイベントで得た販売益を活動資金に充てた。より継続的な活動を目指し、参加者数も年々回復。一昨年には約400人が集まった。今では現地の人の「今年も楽しみにしてるよ」の声に励まされる。「震災を知らない世代も増えてきた。その中でも熱量を変えず事実と経験を伝え続けることが大事」
先日、日向さんのもとへ気仙沼の20歳の男性からメールが届いた。”当時私は10歳。震災の中、ちがけせんでサッカーをしたことが大切な思い出です”。「この言葉で僕らも頑張れる」と日向さんは頬を緩ませた。
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