学芸員のイチ推し! -連載 Vol.20-
東海道を象徴する樹木「クロマツ」
現在の国道1号は、茅ヶ崎市内の場合、江戸時代の東海道と一致しています。当時描かれた絵図を見てみると、東海道沿いには木のような絵が数多く描かれています。描かれているのはクロマツというマツ科の樹木です。
クロマツは、主に海岸沿いに見られる常緑針葉樹で、砂防林として植栽されることが多いですが、建物や農具などの木材としても利用されてきました。市内では国道134号沿いをはじめ、砂防を目的に植えられたものが、かつて別荘地であった街中でも見られます。江戸時代、幕府が街道を整備した際に、木陰をつくることや雨や風から街道を守る目的で、クロマツやエノキなどを並木として植えました。現在も残っている大磯町の松並木が有名ですが、ここ茅ヶ崎でも所々に松並木が残されています。
茅ヶ崎市博物館では、春の特別展「東海道中お寺めぐり」として、文化3年(1806)に完成した「東海道分間延絵図(とうかいどうぶんけんのべえず)」に登場する東海道沿いの村やお寺などに焦点を当て、市内の貴重な品々を7月7日(日)まで紹介しています。会場には拡大した絵図も展示していますので、松並木の姿もよく観察できます。この機会にぜひご覧ください。
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