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平塚・大磯・二宮・中井 社会

公開日:2012.11.15

響く水の音(ね)水琴窟(すいきんくつ)
岡崎の實澤健夫(みさわたけお)さん(79)が自作

  • 5年がかりで探した瓶を使い水琴窟を制作した實澤さん

 キン…コン…ポーン…。水滴が滴り落ちる音が反響し、澄んだ音色を奏でる。市内岡崎の實澤健夫さんが作った水琴窟だ。



 水琴窟とは、伏せた瓶の中に落ちる水滴の音を反響させる日本庭園装置の一つ。庭の趣味があった實澤さんは、以前から自宅の庭に水琴窟が欲しいと考えていた。



 「大きい瓶じゃないといい音が出ないけど、なかなか見つからないし値段も高い物ばかりで」と苦笑いする實澤さん。瓶を探し続けて5年、市内のホームセンターで出会った1万円の巨大瓶をその場で購入し、制作に取り掛かった。



 元々大工で物づくりが得意だったこともあり、基本の形は10日ほどで完成した。水琴窟は地中に埋める装置だが、排水溝を掘るなど大掛かりな作業が必要になるため、地上に設置するという独自の発想を取り入れた。これにより分解・手入れが容易になり、キレイな音色を保つことが出来るという利点もある。



 「むき出しの瓶じゃ殺風景」と、カバーや音色を聴くための竹筒を装着。瓶から出た音が竹筒内部でより反響する効果もあるようだ。他にも、よりいい音が出るよう細かい調整や工夫を施したり、玉石や自作の柄杓(ひしゃく)など雰囲気を出すための小物を置いたりとアレンジを楽しんでいる。今は水を流す装置を、もっと味わいあるものに出来ないか模索しているそうだ。



 分解すれば持ち運べる珍しいタイプなため、「子ども達に聞かせたいから貸して欲しい」という依頼が来たこともあるそう。「今後もそういった機会があれば、出来る限り協力できれば」と實澤さんは話している。

 

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