平塚・大磯・二宮・中井 社会
公開日:2022.11.17
「不登校」小中で過去最多
中学校320人 小学校3割増
市内の小中学校で年間30日以上欠席した不登校の児童生徒数が、2021年度は512人に上り過去最多だったことが分かった。不登校の現状と対策などを議題にした11月7日の平塚市総合教育会議で公表された。
内訳は小学校(全児童数1万2114人)が192人、中学校(同6333人)が320人。15年度以降増加を続け、小学校では19年度に初めて100人を超えた。21年度は20年度の147人から3割増加し、中学校も290人から320人に増えた。
不登校の要因では「無気力、不安」が小学校55・7%、中学校47・8%で最多。小学校では「親子の関わり方」(16・7%)、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」(6・8%)が続いた。中学校で上位を占めた「学業の不振」と「親子の関わり方」はそれぞれ11・9%と10・6%で、いずれも全国と比べて2倍近く高かった。いじめを理由とする不登校は小中学校共に0・0%だった。
小学校の不登校出現率は1・58%で、県全体(1・42%)と全国(1・3%)を上回り、中学校では初めて5%を超えた。不登校のほか、病気や新型コロナウイルスの感染回避などを含めて長期欠席した児童生徒数は、小学校で367人、中学校で476人だった。
同会議は市長と教育長、教育委員で構成され、教育施策の方向性などを共有するために設置。7日の会議に出席した教育委員からは、「様々な事情で授業を受けることが難しい子が増えてきていると思う。不登校は適切な初期対応と共に、すぐに目に見える効果が出なくても粘り強く子どもや家庭と関わり続けることが大切」などの意見が上がった。
平等な学びの機会を
不登校の児童生徒に対して平等な教育機会を提供するため、国は2017年に「教育機会確保法」を施行。市教育委員会も、関係者を対象にした研修などを通して支援体制の構築を急ぐ。
市は9月、タブレット端末を使ったオンライン授業を積極的に行うよう各校に通知した。学習の選択肢を増やすことで、不登校をはじめ何らかの理由で登校できない児童生徒に対し、個々の実態に応じた学びの機会の提供を目指す。
心因性などにより登校が難しい児童生徒を受け入れるための施設もある。崇善小学校北側の市こども教育相談センターに設置した、適応指導教室「くすのき」だ。
くすのきでは、児童生徒が社会や学校生活に適応できるよう寄り添い、相談員が本人や保護者へのカウンセリングなどを行う。市によると昨年度は12人が通室し、うち7人が中学校3年生だった。学校に復帰する生徒はいなかったが、自ら公立校やサポート校への進学を決めたり、集会時に進行役を務めることができるようになったりした生徒もいたという。
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